クレーンの災害事例
CR00021
事  例

スリングベルトが切断

[原因と対策]
業  種 機械装置製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
 
あらまし コンベヤ等の製造を行う事業場において,約1ヶ月の工程でスチールコンベヤを製作していたが,災害発生当日は,2本のH形鋼とアングル材等を仮付け溶接して梯子状に組み立てられたコンベヤフレーム(質量1.8t)を本溶接することになっていた.
置き台である組立鋼台上に横にして置かれている当該フレームを立てた状態にして溶接作業を行うため,被災者を含む3名の作業者は,特に作業前の打ち合わせをすることもなく,それぞれがフレームを荷づりする準備作業にとりかかった.
被災者は天井クレーン(つり上げ荷重2.8t,床上操作方式)を操作して,クレーンフックをフレーム片側のH形鋼の上方まで移動させたところ,作業者Aが玉掛けワイヤロープの一端に取り付けられたロック付縦横兼用クランプをH形鋼のほぼ中央部にセットし,反対側のアイをフックに掛けたので,H形鋼と組立鋼台床面との間隔が20cm程度になるまで巻き上げた.続いて作業者Aはその隙間に角材(高さ15cm)を差し込んだ後,H形鋼を角材の位置まで巻き下ろさせてクランプ付き玉掛けワイヤロープを外した.
次に被災者と作業者Aは,H形鋼と組立鋼台との間にできた隙間にベルトスリングを通して,H形鋼に目通しくくり2本吊りの方法で玉掛けしフレームを立ち上がらせるために反対側のH形鋼を支点として徐々に巻き上げながら,同時に天井クレーンのホイストを横行させてフレームを垂直に立て約50cmの高さまで巻き上げた.
一方,作業者Bは,つり上げられたフレームの下に敷くH形鋼の架台2個を準備して,作業者Aとともにそれぞれその下に差し込もうとしたが,作業者Aの架台はスムーズに入ったものの,作業者Bの架台はフレームの高さが足りずに入らなかった.そのため,被災者はクレーンの操作用押しボタンスイッチを持ったまま作業者Bに近づき,片手をフレームの下に入れて持ち上げ架台を入れようとしたところ,突然,ベルトスリングが切断して
フレームが架台上で揺らついて,被災者側に倒れかかりその下敷きとなった.
なお,作業に用いたベルトスリングは,使用制限荷重が15.7kN{1.6tf}のものであったが,古い損傷痕が残っていた.
 
 
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