クレーンの災害事例
CR02041
事  例

ジブが高圧活線に接触

[原因と対策]
業  種 送電線路建設事業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
 
あらまし 本災害は,電車の動力源である高圧配電線の張り替え工事現場において,積載形トラッククレーンにより搬送してきた電線ドラムを軌道内に荷下ろしするため,当該クレーンを使用してつり上げ旋回していたところ,ジブの先端が高圧活線に接触し,クレーン運転者が感電死亡したものである.
高圧配電線の張り替え工事は夜間に送電を停止して作業を行うため,午後11時半に現場近くの資材置き場に14名の労働者が集合し,現場責任者から作業内容や災害防止についての指示があった.停電は午前2時40分から午前3時30分までの50分間であることから,その前に資材を作業現場に運び込んでおく必要があった.そのため,5名の労働者が午前2時20分ごろ現場に向かい,積載形トラッククレーン(つり上げ荷重2.93トン,以下「クレーン」という.)により運搬されてきたドラムジャッキ(質量50キログラム)2脚及び配線工事用の電線ドラム(質量230キログラム)を荷下ろしする作業を始めた.
荷下ろし作業は,玉掛けのAがクレーンの荷台に上がりドラムジャッキ2脚をまとめてワイヤロープで玉掛けし,クレーン運転者Bが運転操作をして荷台の脇に下ろした.次にBはドラムジャッキから玉掛けワイヤロープを外し,続いて電線ドラムをつり上げるためにジブを3段に伸ばした.荷台の上ではAが電線ドラムにワイヤロープで玉掛けし,Bがクレーン車体の鉄枠に寄りかかった姿勢でクレーンの運転操作を行ってドラムをつり上げ,旋回させたところ,ジブの先端が地上7.7メートルの高さに張られている6600ボルトの高圧活線に接触した.このときAはBの手から火花が飛び散ったのを目撃した.Bは直ちに救急車で病院に収容されたが,1時間後に死亡した.
被災時のクレーンの状態は,アウトリガは最小張り出し,ジブ長さ6.6メートル(3段ジブを最大伸ばし),起伏角度60度,ジブ先端高さ8.1メートルであった.一方,高圧活線の高さは7.7メートルであった.配電線張り替え工事は夜間に行われていたにもかかわらず特別な照明設備は設けられておらず,照明は労働者の布製キャップ帽に取り付けられたキャップライトで行われていた.被災者の服装は一般的な作業服,安全靴,軍手等を着用していたが,絶縁用保護具は着用していなかった.なお,A及びBは小型移動式クレーン運転技能講習及び玉掛け技能講習修了者であった.
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