クレーンの災害事例
CR03051
事  例

工事用エレベーターから墜落する

[原因と対策]
業  種 建設工事業 機  種 エレベーター
被  災 死亡 1名 現  象 その他の墜落
 
あらまし 本災害は,ビル工事現場において工事用ラック式エレべーターに作業員26名が乗り込み上昇中,エレべーターの内扉が突然全開して作業員の一人が搬器の外に投げ出され,約20m墜落して死亡したものである.
エレべーターの内扉は上下に開く構造となっており,扉の上部には突起が設けられていて,内扉を開けると突起が扉開閉用の感知ローラーを押し上げて電磁ロック装置が作動すると共に手動操作盤の表示ランプが点灯し.エレべーターは動かないように設計されていた. 内扉が閉まると,扉開閉装置の感知コントローラーからの信号を受けて電磁ロックが解除され,エレべーターが自動的に上下動する機構となっていた.なお,エレべーターには緊急停止装置が付けられていたが,運転手が通常乗る定位置からは離れていた.
作業員Kは高層階の雑役作業に向かうため,ほぼ満員状態のエレべーターに2階から乗り込んだ. 最後に運転手がエレべーターの外扉を閉めて扉ロックを掛け,上下スライド式の内扉を閉めた.内扉が閉まると同時に電磁ロックが解除されて,エレべーターが20階に向かって高速で上昇を始めた.
上昇と同時に運転手は内扉が30cm程度開いていることに気付き,両手で内扉が開かないように押さえていたが,数秒後4階を通過した際にバーンという音がして内扉が全開した. そのとき搭乗していたKは搬器の外に投げ出され,エレべーターシャフト内の地下2階床面まで約20m墜落して死亡した.
Kがエレべーターに乗り込む際に,安全帯のフックが内扉に挟まれたと推察された. 内扉の開閉感知ローラーに7cm程度の不感帯(あそび)があり,内扉にフックが挟まれていて完全に閉まっていなかったにも係わらず,感知ローラーからの信号がONになり,電磁ロックが解除されてエレべーターが動きだし,間もなく扉が大きく開いたと考えられた.また, 搭乗者が扉付近で搬器の端に立った際には,構造的に内扉が3〜5cm開いてしまうことも分かった.しかし,電磁ロック装置には異常は認められなかった.
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