クレーンの災害事例
CR06101
事  例

積載形トラッククレーンで伐採した松をつって荷台に積み込み作業中,ジブ先端が高圧電線に接近して感電する

[原因と対策]
業  種 その他の各種林業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
 
あらまし  本災害は,積載形トラッククレーン(つり上げ荷重2.93t,以下「クレーン」という.)を用い枯れた松を伐採・撤去する作業を行うため,被災者A がクレーン操作を行っていたところ,ジブ先端が高圧電線に接近したためA が感電したものである.
  災害発生当日,午前9時ごろから作業を開始し,指示のあった松以外に枯れた松の木を発見したためその撤去を行うこととした.この作業では,まず,A が代表者B とクレーンをフェンスの内側に停車させてアウトリガーを設置し,A と作業者C およびD の3人でフェンスの外側にある松の木を伐採した.伐採した木はワイヤロープで束ね,B がクレーンを操作して束ねた木をフェンスの内側に移動させ仮置きした.次に,つり荷をクレーンの荷台に積み込む作業に移ったが,この時点で,B は積込みの位置決めのために荷台に移り,クレーンの操作はA が担当した.B が荷台に上がって片づけをしていたとき,つり荷が荷台の横に接近してきた.そこで,B はつり荷を引き寄せ,位置決めをしていたところ,A の異常な声がしたので振り返ってみると,アウトリガーの横でA がかがみこんでいた.A は,救急的処置が施され病院へ搬送されたが死亡が確認された.
  本災害は,A がB から指示される前にクレーンを操作して,伐採した松をつり上げてクレーンの荷台に積み込むため,ジブを旋回させていたところ,上方にある高圧電線(電圧13,800V)からクレーンのジブ先端に放電し,地上でクレーンを操作していたA が感電し死亡したものである.
  なお,本件においては,B とA は作業開始時にはクレーンの荷台の上方に電線があることは確認していたが,特に感電防止対策は講じていなかった.
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