クレーンの災害事例
CR06121
事  例

橋形クレーンでH 鋼を荷下ろしし,玉掛け用具を巻上げ操作で引抜き中,はいの上から同H 鋼が落下して挟まれる

[原因と対策]
業  種 製鉄業 機  種 橋形クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 積荷等荷の落下
 
あらまし  本災害は,製鉄所構内において,被災者が一人で橋形クレーンを使用し,トレーラーで搬入されたH 形鋼(以下,「H 鋼」という.)を荷下ろし作業中,2段積みされたH 鋼のはいの上にH 鋼A を荷下ろしした後,玉掛け用ワイヤロープの片方だけをフックから外して,H 鋼A から引き抜くため,クレーンの巻上げ操作を行ったところ,H 鋼A が被災者のいた側に落下し,被災者がH 鋼A と2段目に置かれていたH 鋼B との間に挟まれたものである.
 災害発生当日,被災者はトレーラーで搬入されたH 鋼を,橋形クレーン(つり上げ荷重10.15t)を用いて荷下ろしする作業に従事した.トレーラー荷台上での玉掛けはトレーラーの運転手が担当し,被災者は同クレーンを無線操作で所定の場所に荷下ろす作業を一人で実施した.玉掛け方法は,中央部分にチェーンを.いだ玉掛け用ワイヤロープ(以下,チェーン付き玉掛けワイヤロープという.)2本を用いた半掛け4点つりで行った.最初のH 鋼3本の束,2番目のH 鋼3本の束を荷下ろしした後,最後の1本のH 鋼A(質量約2.4t)を,2段積みされたH 鋼のはい(高さ1.46m)の上に荷下ろしたが,チェーン付き玉掛け用ワイヤロープの手前側をフックから外し,その後,H 鋼A の下からそのチェーン付き玉掛け用ワイヤロープを引き抜くため,クレーンの巻上げ操作を行ったところ,H 鋼A が被災者側に転落し,そこで無線操作をしていた被災者が,落下したH 鋼A と後ろに置かれていたH 鋼B との間に挟まれ被災したものである.
 なお,被災者はクレーン運転士免許を取得し,玉掛け者は玉掛け技能講習を修了していた.
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