クレーンの災害事例
CR08071
事  例

工場壁面のアスベスト除去のため足場上で壁面養生作業中,天井クレーンのトロリー線に接触し感電する

[原因と対策]
業  種 工作物解体工事業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
 
あらまし  本災害は,製鋼工場南側内壁のアスベスト除去工事の準備作業(ビニールシートでの養生作業)中に,天井クレーン(クラブトロリ式:つり上げ荷重106.9t)のトロリー線(約400V)に接触し,感電したものである。
  この養生作業は,アスベスト除去時のアスベストの飛散を防止するために,南側内壁面に設置した足場(高さ約20m 幅約25m)をビニールシートで覆い,ビニールシートの周辺を天井,床及び壁に両面テープで貼り付けて壁と足場全体を密閉するものである。ビニールシートは幅3.6m のロール状になっており,足場の各段に配置された作業者が,下からビニールシートを引き上げ,足場に貼られた両面テープに固定するのであるが,午前中は,この作業を繰り返し行い,大まかな養生作業を終えた。
  午後は,障害物のある場所の養生を分担して行うことになり,被災者は本件災害発生場所である天井クレーンのトロリー線付近の養生作業を一人で担当していた。午後3時半ごろ,被災者がトロリー線から77cm の距離にある足場材に安全帯のフックをかけ,その安全帯で宙吊りになった状態で発見された。直ちに医療センターに搬送されたが死亡した。作業場所がビニールシートで覆われているため災害発生状態は視認されていない。しかし,この場所には天井クレーンのH 鋼とトロリー線があり,それらを避けて養生する必要からビニールシートの切込みや張合わせなどの複雑な作業が予定されていたこと,トロリー線と作業場所が非常に近接していること,さらに,トロリー線3本のうち2本に被災者が事故時に接触したと思われる堆積粉塵の落ちた部分が確認されたことなどから,被災者は,ビニールシートの処理のために当該場所に入り,何らかの原因で体勢を崩し,トロリー線に接触したものと推測される。
  なお,本工事の元請は,アスベスト除去作業予定日についてはトロリー線に絶縁防護具を装着する予定であったが,養生作業での感電危険性までは十分検討していなかった。
 
 
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