クレーンの災害事例
CR11061
事  例

移動式クレーンでベルトコンベヤの解体作業中,労働者3名が墜落して死傷

[原因と対策]
業  種 土木工事業 機  種 ホイールクレーン
被  災 死亡 1名 負傷 2名 現  象 その他の墜落
 
あらまし  本災害は,ダム建設現場において,コンクリート製造設備(バッチャープラント)につながるベルトコンベヤを解体する作業中,同コンベヤの最上部の第1フレーム(12m)を移動式クレーン(50tホイール)でつり上げたところ,隣接する1スパン下の第2フレーム(高さ約20m)が支柱から外れ,第2フレーム上に退避していた労働者3名が地上に落下し,1名が死亡,2名が負傷したものである。
 災害発生当日,現場では,ほかの作業を終えた作業者9名が,移動式クレーンを使用して,地上の骨材貯蔵設備からバッチャープラントに骨材を送るためのベルトコンベヤを解体する作業に従事していた。このコンベヤは,複数の長尺のH鋼製フレームを隣接のフレームとボルト結合され,各結合部を高い支柱で支持した構造で,その支持部はヒンジによりピン結合されていた。
 本件の解体作業は,(1)被災者A,B及びCが第1フレームに上がって,同フレームのバッチャープラントとの接合部および第2フレームとの接合部のボルト,さらに,両フレーム接合部とヒンジとの接合ボルトを,頭部をガス切断して一旦全て取り外し,その後一定の箇所だけ仮止めボルトを取り付け,この状態で,(2)第1フレームの下部(下流)側に玉掛け用ワイヤロープ,上部(上流)側にワイヤロープとチェーンブロックを併用して4点つりの状態で玉掛けし,(3)巻上げによりワイヤロープを緊張させてから,第2フレームとヒンジとの結合を残して,仮止めボルトを取り外し,続いて,(4)第1フレーム上にいた作業者3名(A,B及びC)が,第2フレーム上に退避し,(5)作業者Bの無線による合図で,クレーン運転士Dが巻上げの操作を行うという手順で実施されていた。
 事故は上記(5)の最終段階で発生したもので,つり荷の巻上げを開始してから,約30秒後,作業者A,B及びCが退避していた第2フレームが,その高部端(高さ約20m)の支柱から外れ,下部端の支点を中心に回転するような状態で落下し,それにつれて下部支持部の結合も破壊され,逆さ向きになって落下したため,作業者3名がその高所から地面に墜落し,Aが死亡,BおよびCが重傷を負った。
 事故後,ボルト穴付近の損傷状態についての調査を行ったところ,第2フレームの上部端とヒンジとの仮止め用のボルトが全く取り付けられていなかったことが判明した。
 
 
[このページの先頭] [ホーム]