クレーンの災害事例
CR12071
事  例

天井クレーン運転室のエアコン増設工事中に,トロリー線に触れ感電死

[原因と対策]
業  種 建設設備工事業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
 
あらまし  本災害は,製鋼工場内にある天井クレーンの運転室にエアコンを増設するため,ダクトを吊り足場上で設置していた被災者が,誤って走行用トロリー線に接触,感電死したものである。
 災害が発生した製鋼工場の電気炉ヤードには,1つのランウェイにつり上げ荷重134tと7tの2基の天井クレーンが設置されており,災害は前者クレーンの運転席と電気室にエアコンを増設工事中に発生した。
 この工事は,クーラー本体をガーダー上に設置し,その本体からガーダー内の電気室とガーダー下の運転室まで通じるダクトを架設するもので,ダクト架設のために,単管とアルミ製足場板で組立てた吊り足場が上・下2段に設置されていた。
 トロリー線(400V)は,走行レール下側の側壁に3本が上下に並んだ状態で配線されており,吊り足場との上下関係は,上段足場はトロリー線の最上段より上の位置にあるが,下段に立つとトロリー線の最上段と2段目の2本が真横に見える位置関係であった。
 被災者は,吊り足場の下段に立って新設クーラー本体から運転室に通ずるダクトに厚さ50mmの断熱材(グラスウール)を巻き,その上にラッキングと称する薄鉄板をかぶせる作業を行っていた。
 上段足場にいた作業者がバタンという音に気付き,下段足場を見たところ,足場上でトロリー線に寄りかかった状態で倒れている被災者を発見し,「感電した」と叫んで救助に向かったが,既に被災者は心臓停止,呼吸停止の状態であった。
 なお,当該クレーンの走行レール上に設置された7tクレーンは,この日使用予定であったのでトロリー線は通電状態であった。しかし,本工事に伴い設置された仮設の吊り足場上には当該トロリー線に対する絶縁対策はなんら講じられていなかった。また,当日の気象状況は気温31.4℃,湿度68%であり,被災者は相当程度の汗をかき,着衣も濡れた状態であった。
 
 
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