クレーンの災害事例
CR12121
事 例
エレベーターの最終調整作業中に搬器が落下し,作業中の被災者が下敷きになる
業 種
建設事業
機 種
エレベーター
被 災
死亡2名
現 象
搬器の落下
あらまし
本災害は,据付けられた水圧式エレベーターの作動液の液漏れを調査するため,シリンダーに取付けてある近接センサーを取外したところ,搬器が落下し,作業を行なっていた2人の作業員が下敷きとなり死亡したものである。
災害発生当時,当該エレベーターの主として据付工事を行う被災者Aと作業員Bの2人で,水圧シリンダー作動液漏れの確認作業を行なっていた。元請の所長が竣工検査で建物内を巡回していたところ,当該エレベーターの搬器とピット床の間に被災者Aが挟まれているのを発見し,消防に連絡,レスキュー隊による救助作業を行なった。この時点でピット内に作業員Bがいることを発見した。
作業現場のエレベーターピット内には,水圧シリンダーからの作動液(水・グリコール作動液)が大量に漏れていたほか,シリンダーに取付けてあった近接センサーがスパナのはまったままの状態で落ちていた。また,近接センサーのキャップも近くに落ちていた。
災害後の調査において,近接センサー取付け孔のネジ寸法が規定値より大きく,0リングによるシールが不十分であったこと。ピット内作業で必要な危険防止用ストッパーが備えられていたが使用されていなかったこと。及び油圧エレベーター据付等の指針では,ピット内作業が15分以上かかる場合には支持台を設置するとされており,15分以下は不要とも読める内容となっていたこと等がわかった。