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あらまし |
被災者の所属する事業場は大型トラックによる貨物の運送を行っている事業場で,主に,金属原材料の販売を行うA社の依頼を受けて金属材料の運送を行っているものである.
災害発生当日も被災者はA社の依頼による金属廃材の運送を行っていた.作業の内容は,B社の敷地内に置かれている足場材,型枠材,H鋼などの建設用資材のうち廃棄するものを選別し,移動式クレーンによりトラックに積み込んでA社の倉庫まで運搬するというものであり,同僚のトラックを含め4台で2回運搬する予定であった.
廃材の選別にはB社の職員が当たり,積み込みには,A社の所有するつり上げ荷重16tのトラッククレーンを使用し,クレーンの運転及び玉掛け作業はA社の職員が当たることとなっていた.
B社の敷地は西側に一般公道があり,入口のすぐ東側に工場建屋がある.工場建屋の北側に資材置場があり,その北側には構内道路があって,さらにその北側に廃棄予定の建設資材が野積みされている.A社の職員は構内道路の西の端に東向きにトラッククレーンを設置し,トラッククレーンの後方(東側)にトラックを停めさせて廃材の積み込み作業を開始した.構内道路の南北には資材が積まれており,トラッククレーンのアウトリガを最大張り出しとしていたため,トラッククレーンと資材との間隔は最も狭い所で0.4mとなっていた.
被災者は午前中に1回目の積み込みを終え,一旦B社を離れた.ところが午後になってA社の職員らがトラックヘの積み込み作業を続けていたとき,被災者がトラッククレーンの台車上に倒れているのが発見された.
被災者のトラックはB社西側の一般公道上に停めてあったことから,被災者はトラックから降り,積み込みを行っている場所に向かう途中,トラッククレーンの台車を越えていこうとして台車と上部旋回体との間にはさまれたものと推測される.
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