クレーンの災害事例
CR97101
事  例

移動式クレーンのジブが座屈

[原因と対策]
業  種 建設業 機  種 トラッククレーン
被  災 人的災害なし 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし ゴルフ場内のバーベキューハウス棟新築工事現場において,当該棟を仮組みし,レベル測定をしたところ,頂部に取り付けられているトップリングが計画値より少し下がっていたため,これを引き上げようとしてトラッククレーン(つり上げ荷重25t)を用いつり上げ作業をしていたところ,ジブに大幅な過荷重がかかり座屈したものである.当該棟の屋根は多角形の形状をしており,屋根の頂部にトップリングを取り付ける構造となっていた.
災害発生の前日までに当該棟の柱の建て方,柱の間の桁の取り付け,柱とトップリングの間の登り梁の4本の取り付け作業が終了していた.当日は,残りの柱とトップリングの間の登り梁を取り付ける作業を行った後,躯体のレベル測定をしたところ,トップリングの取り付け位置が計画値より2〜3cm低かったため,これを引き上げる必要が生じた.
トップリングはパイプサポートに取り付けられた箱ジャッキ上に据え付けられており,ジャッキアップすることによりトップリングをもち上げることができるものであるが,人力では容易に動かなかったため,トップリングをトラッククレーンでつり上げ,浮かせてからジャッキを操作して支えることとした.
現場責任者であり玉掛け者であるAは,トップリングに玉掛け用ワイヤロープ4本で十字掛けし,Aの指示によりクレーン運転士Bがトラッククレーンでつり上げようと巻上げ始めたところ,荷重計が4.2tを示したところで警報がなり,荷重計が4.5tを示したところで過負荷防止装置が働いて自動停止した.
しかし,Bは,過負荷防止装置のスイッチを切り,さらに巻上げ操作を続けたところ,荷重計が9.8tを示したときに,3段ジブの下端から約70cmのところで座屈したものである.座屈したジブは幸いにも落下しなかったため,トラッククレーンの下で作業していた労働者に被害はなかった.
このときのトラッククレーンの作業半径は14m,ジブの傾斜角は58度であり,定格荷重は4.17tとなっていた.なお,玉掛者Aとクレーン運転士Bはともに資格を有していた.
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