通達
平成30年職場における熱中症の発生状況(確定値)等について(抄)
厚生労働省労働基準局安全衛生部長 基安発0517第8号
一般社団法人日本クレーン協会会長殿 令和元年5月17日
平成30年職場における熱中症の発生状況(確定値)等について
 
 職場における熱中症予防対策について、平成31年2月26日付け基安発0226第4号「平成31年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の実施について」をお送りしたところですが、今般、別添1「平成30年職場における熱中症の発生状況(確定値)」を取りまとめるとともに、別添2により「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」実施要綱を形式的に改正しました。
 つきましては、貴会におかれましても、会員事業場等に対し、周知を図っていただきますとともに、各事業場において熱中症予防の確実な取組が行われますよう、特段の御配慮をお願いいたします。
 
平成30年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)
 
1 職場における熱中症による死傷者数の推移(平成21〜30年)
 過去10年間(平成21〜30年)の職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数。(以下合わせて「死傷者数」という。)をみると、平成22年に656人と最多であり、その後も400〜500人台で推移していたが、平成30年の死傷者数は1,178名、死亡者数は28名となっており、平成29年と比較して、死傷者数、死亡者数いずれも2倍以上に増加している。
 
2 業種別発生状況(平成26〜30年)
 過去5年間(平成26〜30年)の業種別の熱中症による死傷者数をみると、建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しており、全体の約4割がこれらの業種で発生している。なお、「平成30年の業種別の死亡者数をみると、建設業が最も多く、全体の約4割(10人)が建設業で発生している。
 
3 月・時間帯別発生状況
(1)  月別発生状況(平成26〜30年)
   過去5年間(平成26〜30年)の月別の熱中症による死傷者数をみると、全体の約9割が7月及び8月に発生している。
(2)  時間帯別発生状況(平成26〜30年)
   過去5年間(平成26〜30年)の時間帯別の熱中症による死傷者数をみると、11時台及び14〜16時台に多く発生している。なお、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院べ搬送されるケースも散見される。
 
4 平成30年の熱中症による死亡災害の詳細
 平成30年に熱中症によって死亡した全28人について、その発生状況は以下のとおりである。
【全体の概要】
(1)  28人のうち、25人については、作業場でのWBGT値を把握する方策を取っていなかった。
(2)  28人のうち、14人については、被災者に対する熱順化が適切に行われていなかった。
(3)  28人のうち、14人については、事業者が水分や塩分の準備をしていなかった。
(4)  28人のうち、9人については、労働安全衛生法第66条に基づく健康診断を適切に行っていなかつた。

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