通達
令和2年7月豪雨による災害に伴う特定機械等の検査証等の有効期間の延長措置について
一般社団法人日本クレーン協会会長殿 基安安発0722第2号
厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長 令和2年7月22日
令和2年7月豪雨による災害に伴う特定機械等の検査証等の有効期間の延長措置について
 
 令和2年7月豪雨については、令和2年7月豪雨による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(令和2年政令第223号)が、令和2年7月14日付けで公布、施行されたことにより、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号)に基づく特定非常災害に指定されたところです。
 今般の指定により、行政上の権利利益に係る満了日の延長に関する措置が講じられますが、労働基準法等関係法令の取扱いについては、別添のとおり、令和2年7月16日付け基発0716第6号「令和2年7月豪雨による災害に対する特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第3条等の適用について」(以下「局長通達」という。)により都道府県労働局長あてに通知されているところです。
 つきましては、令和2年7月豪雨による災害に伴う特定機械等の検査証及び型式検定の合格証(以下「検査証等」という。)の有効期間の延長措置について、下記に留意し、業務の適切な実施をお願いいたします。
 
 
1  令和2年7月3日以後に有効期間が満了する検査証等は、局長通達の記の1の(3)にあるとおり「法令に基づく行政庁の処分により付与された権利その他の利益であって、その存続期間が令和2年7月3日以後に満了するもの」に含まれること。
2  検査証等の有効期間の延長措置は、局長通達の記の1の(1)及び(2)にあるとおり、令和2年12月28日を限度として個別の判断により行うこととなるが、貴機関において、当該判断を行う際は、局長通達の記の1の(4)に留意すること。
3  検査証等の有効期間の延長措置の対象となった機械等について性能検査の検査証の更新又は型式検定の合格証の更新を実施した場合、当該検査証等の有効期間は、更新前の有効期間の満了日の翌日から起算すること。また、当該性能検査の実施日又は型式検定の合格証の更新日が変更前の検査証等の有効期間の満了日後となった理由を検査証等に裏書きしておくこと。
 
令和2年7月豪雨による災害に対する特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第3条等の適用について
 
基発0716第6号
令和2年7月16日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長
 
令和2年7月豪雨による災害に対する特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第3条等の適用について
 
 令和2年7月豪雨による災害に対しては、「令和二年七月豪雨による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」(令和2年政令第223号。以下「政令」という。)が別添1のとおり令和2年7月14日に公布され、同日より施行されたことにより、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号。以下「法」という。)(別添2)の規定の一部が適用されることとなったところである。
 政令は、令和2年7月豪雨による災害を法第2条第1項の特定非常災害に指定し、その被害者について、行政上の権利利益に係る満了日の延長、法令上の義務であって期限内に履行されなかった義務の履行に係る免責等に関して所要の措置を講ずるものである。
 主な内容等は下記のとおりであるので、適切な運用が図られるよう遺漏なきを期されたい。
 
 
1  行政上の権利利益に係る満了日の延長に関する措置関係(法第3条)
  (1)  今般の令和2年7月豪雨による災害により、行政庁の処分により付与された権利その他の利益や、法令に基づき何らかの利益を付与する処分その他の行為を行政機関に求めることができる権利について、有効期間の更新や権利の行使等のための所要の手続をとることが困難な場合がある。
     このため、このような権利利益のうち、その存続期間が令和2年7月3日(特定非常災害発生日)以後に満了するものについては、法第3条第1項及び政令第3条の規定により、その満了日を令和2年12月28日を限度として延長することができることとしたこと。
  (2)  第3条第2項においては、個別の確認行為を経ずに地域を単位として一括して延長措置をとることが適当なものに関して、厚生労働大臣等国の行政機関の長等が告示を行うことにより当該延長措置を行うことができ、同条第3項においては、同条第2項の規定による延長措置のほか、被害者の申請に基づき、個別に都道府県労働局長、労働基準監督署長等の行政機関や行政庁(法令において処分権限が与えられた法人等)が延長を行うことができることとされている。これに対し、労働基準関係法令については、同項に基づく告示は行わず、同条第3項に基づく個別の延長措置を、都道府県労働局長、労働基準監督署長等が個別の判断において行うものとすること。
     なお、当該延長措置が講じられた場合には、その時点で既に失効している権利利益(令和2年7月3日以後に存続期間が満了するものに限る。)についても失効日に遡って回復されることとなること。
  (3)  法第3条第1項第1号に規定する「法令に基づく行政庁の処分により付与された権利その他の利益であって、その存続期間が特定非常災害発生日以後に満了するもの」(なお、特定非常災害発生日は、政令第1条により令和2年7月3日とされた。)には、例えば、普通ボイラー溶接士免許のように都道府県労働局長の処分により付与されたもののほか、ボイラー検査証など登録性能検査機関の処分により付与された権利等も含まれるものであること。
     同じく、法第3条第1項第2号に規定する「法令に基づき何らかの利益を付与する処分その他の行為を当該行為に係る権限を有する行政機関に求めることができる権利であって、その存続期聞が特定非常災害発生日以後に満了するもの」には、例えば、賃金の支払の確保等に関する法律施行規則(昭和51年労働省令第26号)第9条に基づく認定を労働基準監督署長に求める権利等が含まれるものであること。(参照:参考1)
  (4)  法第3条第1項に規定する「特定非常災害の被害者」(なお、特定非常災害は、政令第1条により令和2年7月豪雨による災害とされた。)とは、特定非常災害により身体上、財産上の直接の被害を受けた自然人・法人のほか、間接の被害を受けた者も含み、個々の事案がこれに該当するか否かについては、その事情に応じて判断すべきものであること。
  (5)  法第3条第3項に係る満了日の延長の申出に用いる書面の様式は定められておらず、任意の様式で差し支えないこと。当該申出に対して行う権利利益等の存続期間の満了日の延長についても、延長期日(令和2年12月28日)までの範囲で個々の事案に応じ必要最小限の期間に限り期日を指定することとして差し支えないこと。
2  期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置関係(法第4条)
  (1)  法令上の義務のうち、令和2年7月3日から令和2年10月29日までの間に履行期限が到来するものであって、特定非常災害により当該履行期限までに履行されなかったことにより、法令義務違反として、罰金等の刑事上、行政上の責任が問われる場合において、令和2年10月30日までに義務が履行されたときには、免責することとしたこと。
  (2)  法第4条第1項の「法令に規定されている」とは、法令に基づき直接課せられる義務を対象とするものであり、例えば、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第98条第1項に基づき変更措置を命じる場合のように、法令に基づく処分であって初めて具体的な義務が課せられることとなるもの等は含まないものであること。(参照:参考2)
  (3)  法第4条第1項に規定する「特定非常災害により」とは、履行義務者ごとに個別に判断することとなるが、一般的には、直接・間接を問わず特定非常災害を理由として、履行義務者が当該義務を履行することに関し、改善措置を講ずるための機材入手や人材確保が著しく困難である等、いわゆる期待可能性がなくなった場合であること。
  (4)  当該措置の対象となるのは、「行政上及び刑事上の責任」であるので、民事上の責任については免責の対象とならないものであること。
 
〈参考1〉
特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第3条に係る労働基準局関係法令等
 
労働安全衛生法関係
条文 権利内容 備考 根拠
第41条      
・ クレーン等安全規則 (以下「クレーン則」という。)第10条 クレーン検査証(落成検査)の有効期間 2 年( 落成検査の結果により 2 年未満) 処分
・クレーン則第43条 性能検査後更新されたクレーン検査証の有効期間 2 年未満又は 2 年を超え3 年以内の期間 処分
・クレーン則第60条 移動式クレーン検査証 (製造検査又は使用検査) の有効期間 2 年(製造検査又は使用検査の結果により2 年未満) 処分
・クレーン則第84条 性能検査後更新された移動式クレーン検査証の有効期間 2 年未満又は 2 年を超え3 年以内の期間 処分
・クレーン則第100条 デリック検査証(落成検査)の有効期間 2 年( 落成検査の結果により 2 年未満) 処分
・クレーン則第128条 性能検査後更新されたデリック検査証の有効期間 2 年未満又は 2 年を超え3 年以内の期間 処分
・クレーン則第144条 エレベーター検査証(落成検査)の有効期間 1年 処分
・クレーン則第162条 性能検査後更新されたエレベーター検査証の有効期間 1 年未満又は 1 年を超え2 年以内の期間 処分
ゴンドラ安全規則(以下「ゴンドラ則」という。)第 9条 ゴンドラ検査証(製造検査又は使用検査)の有効期間 1年 処分
・ゴンドラ則第27条 性能検査後更新されたゴンドラ検査証の有効期間 1 年未満の期間 処分
第44条の 3      
・機械等検定規則第10条 型式検定合格証の有効期間 機械等の種類により 3 年又は5年 処分
第46条の2 第1項      
労働安全衛生法施行令(以下「安衛法施行令」という。)第15条の 2 登録製造時等検査機関の登録の更新 登録後 5 年以内 法令
第53条の 3 ( 第46条の 2 の準用)      
・安衛法施行令第15条の2 登録性能検査機関の更新 登録後 5 年以内 法令
第54条(第46条の 2 の準用)      
・安衛法施行令第15条の2 登録個別検査機関の登録の更新 登録後 5 年以内 法令
第54条の 2 ( 第46条の 2 の準用)      
・安衛法施行令第15条の2 登録型式検定機関の登録の更新 登録後 5 年以内 法令
第75条第 3 項      
・クレーン則第227条 クレーン・デリック運転士免許試験の学科試験等の免除 修了した日から起算して 1 年を経過しない間等 法令
・クレーン則第233条 移動式クレーン運転士免許試験の学科試験等の免除 修了した日から起算して 2 年を経過しない間等 法令
第77条第 4 項、労働安全衛生法施行令第23条の 2 登録教習機関の登録の更新 登録後 5 年以内 法令
第88条第 1 項ただし書 計画の届出免除の認定の    
・安衛則第87条の 6 更新 登録後 3 年以内 法令
「備考」(根拠欄について)
処分 法令に基づく行政庁の処分により付与された権利その他の利益
法令 法令に基づく何らかの利益を付与する処分その他の行為を当該行為に係る権限を有する行政機関に求めることができる権利
 
〈参考2〉
特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第4条に係る労働基準局関係法令等
 
労働安全衛生法関係
条分 義務内容 期日等
第39条第 1 項    
・クレーン則第59条第 3 項 移動式クレーンの設置者の異動による移動式クレーン検査証書替申請 異動後10日以内
・ゴンドラ則第 8 条第 3 項 ゴンドラ検査証書替申請 異動後10日以内
第39条第 2 項    
・クレーン則第 9 条第 3 項 クレーンの設置者の異動等によるクレーン検査証書替申請 異動後10日以内
・クレーン則第99条第 3 項 デリック検査証書替申請 異動後10日以内
・クレーン則第143条第 3 項 エレベーター検査証書替申請 異動後10日以内
・クレーン則第177条第 3 項 建設用リフト検査証書替申請 異動後10日以内
第45条第 1 項    
・クレーン則第34条 クレーンの定期自主検査 1 年に1回
・クレーン則第35条 クレーンの定期自主検査 1 月に1回
・クレーン則第76条 移動式クレーンの定期自主検査 1 年に1回
・クレーン則第77条 移動式クレーンの定期自主検査 1 月に1回
・クレーン則第119条 デリックの定期自主検査 1 年に1回
・クレーン則第120条 デリックの定期自主検査 1 月に1回
・クレーン則第154条 エレベーターの定期自主検査 1 年に1回
・クレーン則第155条 エレベーターの定期自主検査 1 月に1回
・クレーン則第192条 建設用リフトの定期自主検査 1 月に1回
・クレーン則第208条 簡易リフトの定期自主検査 1 年に1回
・クレーン則第209条 簡易リフトの定期自主検査 1 月に1回
・ゴンドラ則第21条 ゴンドラの定期自主検査 1 年に1回
第50条 登録製造時等検査機関の事業報告の作成 事業年度経過後 3 月以内
第53条の 3 (第50条の準用) 登録性能検査機関の事業報告の作成 事業年度経過後 3 月以内
第54条(第50条の準用) 登録個別検定機関の事業報告の作成 事業年度経過後 3 月以内
第54条の 2 (第50条の準用) 登録型式検定機関の事業報告の作成 事業年度経過後 3 月以内
第77条(第50条の準用) 登録教習機関の事業報告 事業年度経過後 3 月以内
第100条第 2 項    
・登録省令第 9 条第 1 項 登録性能検査検査機関の性能検査の結果に関する報告 性能検査を行った月の翌月末日まで

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