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『玉掛け作業の安全に係るガイドライン』のポイント(2)完
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はじめに
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    前月号では,事業者及び関係作業者の実施すべき事項等について説明しましたが,今月号では玉掛け方法の選定と日常の保守点検についてそのポイントを説明します.
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3. 玉掛け方法の選定
 
  (1) 基本的な注意事項
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1)

玉掛用具の選定では安全係数とつり角度による張力,あるいは定められた使用荷重を確認する.


 
イ. 玉掛用具に見合った安全係数を確保する.
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ワイヤロープ=6以上,チェーン=4以上又は5以上,シャックル=5以上

ロ. つり角度(原則として90°以内)による張力の確認を行う.
算定方法には,つり角度で変化する張力係数による方法と,掛け数とつり角度に応じたモード係数による方法がある

ハ.

クランプ等を使用する場合は使用可能な能力かどうかを確認する.

2)   フックに掛けたワイヤロープ等が重ならないようにチェックする.

3)

  クレーン等の作業中は直接つり荷及び玉掛用具に触れないようにする.
4)   ワイヤロープ等の玉掛用具を取り外す際には,クレーン等のフックの巻上げによって引き抜いてはならない.

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  (2) 玉掛け用ワイヤロープによる方法
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1) 2本4点あだ巻きつり
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_02.jpg[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:2本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:4点
ニ. つり荷への掛け方:あだ巻き

[掛け方の注意点]
イ. フックに掛けたワイヤロープが重ならないようにする.
ロ. つり荷にあだ巻きしたワイヤロープが重ならないようにする.
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2) 2本4点半掛けつり
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_03.jpg[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:2本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:4点
ニ. つり荷への掛け方:半掛け

[掛け方の注意点]
イ. フックに掛けたワイヤロープが重ならないようにする.
ロ. つり荷の安定が悪いため,つり角度は原則として60°以内とする.
ハ. 当て物等によりワイヤロープのずれ防止と角部での損傷防止措置を講じる.
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3) 2本2点目通しつり
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_04.jpg[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:2本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:2点
ニ. つり荷への掛け方:目通し(シャックル使用)

[掛け方の注意点]
イ. アイボルト形のシャックルを目通しつりの通し部に使用する場合は,ワイヤロープのアイにシャックルのアイボルトを通す.
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4) 3点調整つり
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_05.jpg[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:2本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:3点
ニ. つり荷への掛け方:あだ巻

[掛け方の注意点]
イ. フックに掛けたワイヤロープが重ならないようにする.
ロ. つり荷にあだ巻きしたワイヤロープが重ならないようにする.
ハ. 調整器(図中のチェーンブロック)は支え側に使用する.
ニ. 調整器の上,下フックには,ワイヤロープのアイを掛ける.
ホ. 調整器の操作は荷重を掛けない状態で行う.
ヘ. 支え側の荷掛けがあだ巻き,目通し及び半掛けの場合は,玉掛け用ワイヤロープが横滑りしない角度(つり角度60度程度以内)で行う.
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5)クランプ,ハッカーを用いた方法
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_06.jpg (4本4点クランプつり)
[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:4本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:4点
ニ. つり荷への掛け方:クランプ掛け

[掛け方の注意点]
イ. フックに掛けたワイヤロープが重ならないようにする.
ロ. 製造者が定めている使用荷重及び使用範囲を厳守する.
ハ. つり角度(a)は60度以内とする.
ニ. 横つりクランプを使用する場合は,掛け幅角度(θ)は30度以内とする.
ホ. クランプの開口部の奥まで十分差し込む.
ヘ. つり荷の表面の付着物(錆,油,塗料等)は,よく取り除いておく.
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spacer.gif spacer.gif susume00_05_07.jpg (2本4点ハッカーつり)
[ワイヤロープの掛け方]
イ. ワイヤロープの本数:2本
ロ. フックヘの掛け方:目掛け(アイ掛け)

ハ.

つり荷に掛ける箇所数:4点
ニ. つり荷への掛け方:ハッカー掛け

[掛け方の注意点]
イ. フックに掛けたワイヤロープが重ならないようにする.
ロ. 製造者の指定する用途以外には使用してはならない.
ハ. 許容板厚の範囲で使用する.
ニ. つり角度は60度以内とする.
ホ. 掛け幅角度は30度以内とする.
ヘ. 原則として複数個で使用する.
ト. つり荷の表面の付着物(錆,油,塗料等)は,よく取り除いておく.
4. 日常の保守点検の実施
 
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(1) 玉掛用具の寿命は使用回数,運搬質量等に影響されるので,作業の状態に応じた点検の周期を設定することが大切である.
(2)   玉掛用具の点検方法及び判定基準(本誌4月号に掲載)により点検し,その結果に応じて必要な措置を講じる.

(3)

  点検の結果により補修が必要な場合は,使用できない旨の表示をするとともに正常品とは分別して収納する.
また補修にあたっては,加熱,溶接又は局所高加圧による補修は厳禁である.
(4)   点検の結果により使用できないものは直ちに廃棄処分とする.
(5)   保管するときは,高温,多湿,酸等のない風通しの良い場所に用具別,能力別に整とんしておく.
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おわりに
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susume00_05_08.jpg4月号と5月号の2回にわたり「玉掛け作業の安全に係るガイドライン」のポイントについて掲載しましたが,事業者と作業者の双方とも内容を十分に理解され,玉掛け作業に起因する労働災害の防止につとめていただきたいと思います.
また,事業者におかれては,玉掛け作業に関する定期的な安全教育を継続して実施されることを希望します.

(完)

(玉掛作業委員会 宮田 秀人)

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