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夏場の健康対策
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1. 夏ばて
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susume04_08_01.gif「夏ばて」には定義がなくいくつかの主な症状を総称して「夏ばて」と呼んでおり,代表的な症状として次のようなものがあげられます.
 *全身の疲れがとれない
 *朝起きるのがつらい
 *食欲がない
 *思考力の低下
 *下痢や便秘等
ただし,病気なのに夏ばてと勘違いして悪化させることもありますので,症状が長く続いたり,または,だんだん症状が重くなるようであれば早めに医師の診察を受けてください.

 対 策
@ 適切な食生活
暑さで食欲が落ちると,ついさっぱりした“そば”や“そうめん”だけですましがちになります.そうすると必要なビタミンやミネラルが不足し益々体力が消耗します.夏ばて防止にはまずバランスよい食事を心がけましょう.
 ・規則正しく食事をとる
 ・酸味や香辛料で食欲を引き出す(しょうが,とうがらし,ハーブ等)
 ・良質のたんぱく質やビタミンB 群を摂取する(豚肉,枝豆,うなぎ等)
 ・水や糖分を多く含んだ清涼飲料水を摂り過ぎない(食欲不振の原因)
 ・水または塩分を含んだスポーツドリンクを少しずつ飲む
A 軽い運動と寝る前のストレッチング(筋肉を伸ばすこと)
食欲がない,全身の疲れがなんとなくとれない方は,身体の負担にならない程度の運動をするようにしましょう.また,就寝前のストレッチングは,1日の疲れをとり快適な睡眠を促します.
B 十分な休養
夏場は特に睡眠時間の確保が大切となります.熱帯夜で寝苦しい夜も冷房のかけ過ぎに注意しましょう.(オフタイマーを利用するなど)また,夜遊び,夜更かしは控えるようにしましょう.


2. 冷房病
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susume04_08_02.gif暑い屋外での作業後,冷房の効いた部屋に入るのはとても気持ちよいものです.しかし,人が急激な温度変化に対応できるのは5℃以内と言われています.温度差の大きい場所の出入りが多い,また,冷房のかけすぎは自律神経系のバランスを崩し様々な症状を起こします.これを「冷房病」といいます. 冷房病の主な症状としては頭痛,めまい,肩こり,関節痛,足のむくみ,だるさのほか,かぜや膀胱炎にかかりやすくなる,などがあげられます.

 対 策
個人で自由に設定温度を調整できれば良いのですが,職場や公共の場所ではそうはいきません.冷房病対策は個人での対応はもちろん,職場の協力がとても重要となります.
 <職場での冷房病対策>
 @ 室温は外気温との差を5℃以内程度にする.
 A 設定温度は女性や寒がりの人に合わせる.
 B 暑がりの人には扇風機で対応する.
 C 冷風の向きを調整して直接当たらないようにする.(風向きを変えられない場合は衝立や観葉植物なども利用する)
 D 上着を脱ぐ,ノーネクタイなど涼しい服装を推奨し,設定温度を上げてもよいようにする.
 <個人での冷房病対策>
 @ 大きめのスカーフや膝掛けを使い冷風が直接肌に当たらないようにする.
 A 身体の末端は冷えやすいので厚手の靴下や腹巻をつける.腹巻を巻くと末端の冷えにも効果があると言われている.(最近では薄くて目立たない腹巻も販売されている)
 B 温かいものを食べ,身体の中から暖めるようにする.暑いからといって冷たいものばかり食べないようにする.
 C ゆっくり入浴をする.冷房で滞った血流を回復させます.おすすめは,ぬるめのお湯に半身浴でゆっくりつかることです.なお,熱いお湯での入浴や就寝直前の入浴は身体をほてらせ寝付きを悪くさせます.入浴はできれば就寝2時間前に済ませるようにする.
 D 1日に20分くらいは外にでて汗をかきましょう.暑いからといって冷房の効いた部屋にいつづけると体温調節機能が衰えてしまいます.

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3. 熱中症
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susume04_08_04.gif熱中症とは,高温・高湿の環境下で体温調節や循環機能などの働きに障害がでる病気の総称で,症状により図のように分類されています.熱中症は,軽症と思われたものが急速に重症化することもあり,時には死にいたる怖い病気です.特に直射日光にさらされる屋外作業場所では多く発生しているので注意が必要です.

 <水分の補給の方法>
「のどが乾いたな」と思った時はすでに水分不足になっています.マラソンレースの水分補給でもわかるように早め早め,そして計画的に補給することが大切です.
 ・作業前に200〜300mlを飲む.
 ・作業開始後によく冷えた0.1%の食塩水または塩分を含んだスポーツドリンク,150〜200ml(コップ1杯程度)を15分おきに飲む.
注:食事の前に大量に水分を摂ると食欲を低下させ, 胃液が薄くなって消化不良を起こします.これは夏ばての原因となりますので,少量の水分をこまめにとるようにしましょう.

予 防
@ 暑熱環境に注意する
暑熱環境は,気温,湿度,風速,輻射熱(光の照射による熱)が複雑に関係します.熱中症予防には湿度,輻射熱が加味されているWBGT(Wet Bulb Globe Temperature=湿球黒球温度)を指標にしてください.WBGT とは下式で計算され,熱中症はWBGT が28℃以上になると発生が増えます.

屋外:WBGT=0.7×湿球温度+0.2黒球温度+ 0.1×乾球温度

屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3黒球温度

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susume04_08_07.gifA 適切な水分摂取を
人は暑熱の環境で体温を上げないために,汗を出し皮膚で蒸発させ熱をうばうことで身体を冷やします.熱中症予防には,まず,水分の適切な摂取がとても重要となります.
B 作業現場の改善(屋外作業の場合)
 ・作業者に直射日光があたらないようにする.
 ・つばの広い帽子をかぶる,ヘルメットの場合はタオルなどを利用して後頭部に直射日光があたらないようにする.
 ・地面からの輻射熱を抑えるため,こまめに散水を行う.
 ・休憩室に冷房,冷水機,冷蔵庫または自動販売機を設置する.
 ・作業現場近くに日陰となる休憩場所をつくり,クーラーボックスに冷水やスポーツドリンクを用意しておく.
 ・暑い日は多めに休憩をとる.
C 体調に注意
熱中症の発生は当日の体調も影響しますので,体の場合調が悪いときは特に注意しましょう.また,管理監督者は作業前の体調チェックを行うようにしましょう.
 ・よく眠れたか?
 ・朝食をしっかり食べたか(食べられたか)?
 ・夜更かしはしていないか?
 ・お酒を飲みすぎていないか?(飲みすぎは脱水症状を起こし熱中症を起こしやすくなる)


D その他
・熱中症は,作業開始から3日目までに発生しているのがほとんどで,特に初日に多発しています.関係者は作業開始前からの対策が大切です.
・一人で作業をしていて熱中症の発見が遅れる場合があります.管理監督者はこまめに職場巡視を行い熱中症の症状が出ている作業者がいないかチェックする.また,作業者同士,声を掛け合うようにしましょう.
・夏休みで旅行やレジャーに出かける方も多いことでしょう.普段,冷房の効いた部屋にいる人が急に炎天下に出ると暑さへの対応が出来ていないため,熱中症を起こしやすくなります.屋外で長時間過ごす時は,帽子をかぶり,水分摂取を忘れないようにしましょう.
  人は暑いと汗をかいて熱を下げ,寒いと筋肉の運動で熱をつくりだして体温を調整しています.しかし,近年のエアコンの普及により,子どものころから快適すぎる環境で育ち,また,運動習慣がなく汗をかく機会も少ないために,体温調節が上手く出来ない,という人が増えています.暑い時は外へ出てきちんと汗をかき,人が本来持っている体温調節機能を高め,暑さに負けない抵抗力を身に付けておくことが,もっとも重要な夏場の健康対策なのです.

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