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生活習慣病
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1.はじめに
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  最近,生活習慣病という言葉をみなさんよく耳にすると思いますが,具体的にどういうものが生活習慣病とされているか分かりにくいと思います.一言で言えば不適切な生活習慣により病状はすすみますが,生活習慣を改善させることにより予防が可能な病気です.代表的なものとして高血圧,糖尿病,高脂血症がありますが,最近ではこれらの病態に内臓肥満が加わる場合をメタボリックシンドロームと総称され,心筋梗塞や脳梗塞を誘発する重大な病態として注目されています.以前から言われている言葉に成人病がありますが,年齢のすすみとともに発症するもので,発症して初めて治療されることになります.それに対して,生活習慣病は,不適切な生活習慣を改善することによって発症を予防できることに主眼をおいた名称と言えます.
 生活習慣病は,初期には自覚症状がほとんどないため,放置されることが多く,その結果様々な合併症をひき起こすことになります.高血圧,糖尿病,高脂血症がいずれも軽症であると見逃されることがおおいのですが,年間の死因としては,悪性新生物すなわち癌に次いで心疾患,脳血管疾患の順で多く,重要な病態としてその内容を理解する必要があります.



 


2.高血圧
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 全身を循環する血液量が増えることと,動脈硬化が進行して動脈壁の弾力性がなくなることが血圧の上がる原因です.血圧には,心臓が収縮した時の収縮期血圧(上の血圧)と心臓が拡張して心臓に血液が送り込まれた時の拡張期血圧(下の血圧)があり,収縮期140mmHg 以上,拡張期90mmHg 以上のいずれか又は両方がみられれば高血圧ありとして注意が必要です.もし,検診で血圧が高いことが指摘されることがあれば,簡易血圧計を購入して血圧を測定,特に早朝高血圧の有無について確認することが重要と思われます.血圧が高くても初期には自覚症状はほとんどなく,放置されることが多いのですが,その結果,脳の血管障害(脳梗塞,脳出血),心臓の血管障害(心筋梗塞,狭心症)を併発することになります.従ってこれらの病気にならないためには,高血圧を予防することが最も重要なことになります.また,塩分のとりすぎが血圧を上げる第一の要因であり,日常の摂取量への注意が必要です.塩分を減量すると血圧も下がりますので,血圧の定期的測定と併せて行うことが必要です.

   

 


3.糖尿病
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 生活習慣と関係しているものに糖尿病2型があります.食べ過ぎ,肥満が血液中の糖分を吸収・代謝するのに重要な役割を果たしているインスリンの効果を下げてしまい,結果として高血糖が持続する病態と言えます.高血糖が持続すると小血管に障害が起こり,3大合併症である,末梢神経障害,網膜症,腎症を起こします.
 一方,大血管の障害として,脳梗塞,心筋梗塞が起こります.空腹時血糖が126mg/dl以上,随時血糖が200mg/dl以上は糖尿病の可能性が高く,診断確定のため精査が必要です.早期に発見し,食事療法,運動療法を行い,効果が不十分な場合は,薬物療法を必要とします.運動療法は,インスリンの効果を良くし,ブドウ糖の利用を高め,血糖コントロールを良好にする効果があります.

 


4.高脂血症
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 高脂血症には,高コレステロール血症と高中性脂肪血症があります.高コレステロール血症は,食べ過ぎ,特に脂質のとり過ぎが原因です.食べ過ぎると体内でのコレステロールの産生が増加し,悪循環になります.
 コレステロールには,悪玉コレステロールであるLDL コレステロールと善玉コレステロールHDL があり,当然LDL を下げ,HDL を高めることが目標です.HDL は喫煙,運動不足により低下しますので,禁煙とともに運動量を増すことが必要です.高コレステロール血症は,動脈硬化を促進させて,心臓血管障害(心筋梗塞,狭心症)を起こし,脳梗塞の原因にもなります.高中性脂肪血症は,食べ過ぎ,飲み過ぎ,運動不足が原因とされており,高血圧,高血糖,肥満などが加わることにより動脈硬化を助長する因子になります.
 中性脂肪は,脂肪組織に蓄積されますが,皮下脂肪より内臓脂肪蓄積の方が心筋梗塞,脳梗塞の原因になります.

高脂血症の食事療法

コレステロールが高い場合




コレステロールが高い場合
コレステロールを多く含む食品をひかえる
卵(鶏卵特に黄身,たらこ,すじこ,いくらなど)
肉の脂身(ロースなど)
食物繊維を含む食品をふんだんに
中性脂肪が高い場合

糖分,特に甘いものをひかえる
アルコールをひかえる

 


5.メタボリックシンドローム
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 我が国においては,メタボリックシンドロームの診断基準として,@内臓肥満があって,それに高血圧,脂質代謝異常,糖代謝異常のうち2項目以上が加わることが挙げられていますが,なかでも内臓肥満がもっとも重要視されます.メタボリックシンドロームの状態では動脈硬化が進行しやすく,心筋梗塞や脳梗塞の発症率が,メタボリックシンドロームのない人に比べ,約2倍とされています.すなわち,たとえ高血圧,脂質代謝異常,糖代謝異常そのものは軽くても,内臓肥満が加わると心血管系の問題が起こりやすいということで,内臓肥満が重要視されるわけです.内臓肥満の目安にウエストサイズが用いられ,男性85cm 以上,女性90cm 以上とされていますが,問題点もあるため改訂される余地を残しています.その他の肥満の目安としては,BMI(body mass index)があります.BMI(=体重[kg]÷身長[m] )は,身長と体重から計算できますので計算をしてみてください.ちなみに25以上は,肥満になります.

 


6.予防
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 自覚症状のあらわれにくい生活習慣病を早めに発見して早めに予防を行いましょう.従って,定期検診は積極的に受けることが必要になります.

運動: 適度な運動を毎日行うと動脈硬化の危険因子を全般的に改善させます.中でも歩行が最もよい運動と考えられ,できれば毎日行った方が良いのですが,1回30〜60分程度で,最低週3回が良いペースと思われます.
過食・塩分過多: 飽食の時代であり,食事内容はバランスよく摂取し,塩分制限は具体的には,毎食時の摂取量をひかえるほか,ラーメン,そばなどのつゆを飲まない,できるだけ外食をさけるなどの対処が必要です.
禁煙: 最近では,喫煙は善玉コレステロールを減少させ,吸入したニコチン,一酸化炭素が動脈壁の損傷や多血症(赤血球過多の状態で脳動脈を詰まらせます)を招くなど,様々な病気をひき起こすことから,百害あって一利なしで,喫煙可能な場所も減っていますので,いっそのことやめてしまいましょう.
飲酒: 生活習慣病がない場合も,適度な量(1日量ビールなら中瓶1本,日本酒なら1合)に留め,それ以上は避けるべきです.糖尿病のある方は,飲酒が食事療法の自己管理を困難にするため,原則として禁酒するべきですが,血糖と中性脂肪がコントロールできている場合,適度な量は摂取可能です.アルコール類は,中性脂肪を高めるので,中性脂肪が高い人は控える必要があります.

 


7.現場条件に合った作業手順
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 この作業手順は,図5のような基本的な作業手順において,各現場の条件・状況により「作業内容」の一部や,「安全上の留意点」が異なる場合が多くあります.この場合に作業指揮者等は,図5のシートに現場として異なる部分を追記したり,絵や図を書き入れたりして,作業前の打ち合わせに利用し,作業内容や安全上の留意点をわかりやすく関係者に徹底します.

 


8.おわりに
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 以上,生活習慣病は,放置しておくと動脈硬化を促進して重大な病気の原因になること,また,最近よく取り上げられているメタボリックシンドロームとの関連について述べました.これらの病気にならないために,危険因子の有無をチェックし,確認された場合には,生活習慣を変えて個々の因子を改善するよう努める必要性があります.
 皆様が実行されることを期待いたします.

動脈硬化の主な危険因子

1. 高血圧 収縮期血圧:140mmHg 以上 拡張期血圧:90mmHg 以上
2. 糖尿病 空腹時血糖:126mg/dL 以上 HbA1c:6.5%以上
3. 高脂血症 総コレステロール:220mg/dL 以上 中性脂肪:150mg/dL 以上
4. 肥満 BMI:25以上
5. 喫煙  
6. 年齢 男性:45歳以上 女性:55歳以上

 


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