ゴンドラの知識
種類及び形式

 ゴンドラは、使用目的、設置場所に応じていろいろな構造、形状のものがあるが、一般に用途による分類と、構造による分類の2通りの分類がある。
  用途による分類は、ビルの屋上等に常設されている常設型と、作業を行う期間中のみ設置し、作業の終了後他の場所に移動する可搬型とに分けられる。
  この分類は、ゴンドラの構造に関係なく、同一のゴンドラであっても設置の段階でどのような用途に用いるかによって決まる。
  また、構造による分類は、ゴンドラの分類表に示される種類に大別され、さらに種類に応じて、走行の形式、作業床の形式及びアームの運動により分類される。
  ゴンドラの分類表に示される組合せ以外の特殊な構造のゴンドラ及び動力として電動によるもの以外のものは、特殊なゴンドラとして取扱われている。
  ゴンドラは、法令上、危険な作業を必要とする特定機械として、ゴンドラ安全規則及びゴンドラ構造規格の適用を受けている。

ゴンドラの分類表
種  類 走行の形式
作業床の形式 アームの運動
アーム固定式
軌道式
無軌道式
定置式
ゲージ式 *2
デッキ式 *3
チェア式
伸 縮
先端旋回
元旋回
アーム俯仰型
懸乗型
デッキ型 *1
チェア型 *1
*1 突りょう等で取付けるもの
*2 チェア式以外の昇降装置を有しない作業床
*3 チェア式以外の昇降装置を有する作業床


■ アーム固定型

  アーム固定型ゴンドラは、ゴンドラの作業床をつるアーム(腕)が固定されて起状しない構造のものである。
  屋上等に台車等を設け、台車上のアームを介してワイヤロープにより作業床がつり下げられており、作業床上の操作者の押しボタン操作により、作業床が移動するようになっている。


アーム固定型(無軌道式)

アーム固定型(無軌道式)

走行の形式としては、軌道式のものと無軌道式のものとがあり、また、走行しない定置式のものもある。
  昇降装置は、台車上に設けたものと作業床に設けたものとがあり、ビルの窓、壁等の清掃用として使用される。


■ アーム俯仰型

  アーム俯仰型ゴンドラは、アーム固定型ゴンドラに対し、アームが起状する構造のもので、ワイヤロープ2本づりのものでは、図のように作業床を台車の後方に置くことができるものもある。
  走行装置の形式、昇降装置の構造等もアーム固定型と同様であり、ビルの窓等の清掃用として使用されるが、作業者の乗り降りの労力と安全性に配慮が払われており、常設型ゴンドラの標準的なものである。また、このなかには旋回機構を合わせ持っているものもある。


アーム俯仰型(軌道式)

アーム俯仰型(軌道式)


■ 懸垂型

  懸垂型ゴンドラは、ビルのひさしや建造物から突出した金具又は建物の天井に直接取付けられるか、又は走行するものはレールを介して電動トロリを取付けトロリ等からワイヤロープにより作業床がつり下げられている構造のもので、走行を手動で行うものもある。昇降装置は上部のトロリ等に設けたものと作業床に設けたものとがある。
懸垂型(ゲージ式)


■ デッキ型

  デッキ型ゴンドラは、建設物等に取付けた専用の突りょう等から作業床をつり下げ、昇降は作業床に設けた昇降装置等で行うもので、動力式と手動式とがある。


デッキ型

 デッキ型ゴンドラは、可搬型のものが多く、作業床の長さも各種ありどこにでも設置できることから、建物のみならず、サイロ、タンク、橋りょう等にも広く使用され、ゴンドラ設置総数の50%以上を占めている。
  煙突、サイロ等の内壁作業用として利用されているもので、作業床が円形又はドーナツ形となっているのが特徴である。


デッキ型

デッキ型(煙突、サイロ用)


■ チェア型

  チェア型ゴンドラは、一人乗りのゴンドラで、建設物等に設けられた突りょう等からつり下げられたチェア(椅子)の下に取付けられた昇降装置によってチェアの昇降を行うもので、デッキ型のゴンドラが使えない狭い所や部分的な作業を行う場合に使用されている。


チェア型


■ その他

  特殊なゴンドラとしては次のようなものがある。
(1) ゴンドラの分類表に該当しない特殊な構造のゴンドラ


天井クレーンのガーダーに相当する走行けたに、
特殊な昇降装置を取付けたゴンドラで、
航空機整備用として使用される。

上・下同時作業ができるように
製作されたゴンドラ。

トラックに装備されアームの伸縮、
ベースの旋回機構をもつゴンドラで
地中に埋められた円筒内の作業に使用される。


(2) 動力が電力以外のゴンドラ

動力源が空気式のデッキ型ゴンドラで圧縮空気を動力としてエアーモータを駆動し、作業床が昇降するものである。主として石油プラント等爆発の危険性が伴う現場に使用される。


デッキ型(空気式)


■ 形 式
  以上は、ゴンドラの種類による分類であるが、これらのうち、アーム固定型及びアーム俯仰型は、走行の形式、作業床の形式、アーム運動の形式により、懸垂型は作業床の形式、アーム運動の形式により、それぞれ次のような形式がある。

(1)  走行の形式
    ゴンドラの走行の形式には、軌道(一般にはI形鋼やH形鋼を使用する。)上を走行させる軌道式、走行するが軌道の必要のない無軌道式及び走行機構をもたない定置式の3形式がある。
(2)  作業床の形式
    ゴンドラの作業床の形式には、チェア式とチェア式以外があり、チェア式は椅子の形状をしたチェアに昇降装置を有するものと、昇降装置をもたないものがあるが、チェア式以外は、作業床に昇降装置を持たないケージ式と作業床に昇降装置を有するデッキ式に分けられる。
(3)  アームの運動の形式
    ゴンドラのアームの運動の形式には、アームが伸縮するもの、アームが旋回するもの及びこれらを組み合わせたものがある。
  アーム伸縮式は、ゴンドラの作業床をつっているワイヤロープを受け止めているアームが前後に伸縮し、作業床の水平移動ができる構造のものである。

  アームを旋回させる構造には、アームの先端がある角度だけ左右に振れる先端旋回式とアームだけ又は機械室を含めて旋回する元旋回式とがある。


アーム固定式
(軌道式・ゲージ式・アーム伸縮式・元旋回式)

アーム固定式
(軌道式・ゲージ式・アーム伸縮式・元旋回式)
 
 
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