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| あらまし |
本災害は，クローラクレーン（つり上げ荷重２.９ｔ）を使用して梁材をつり上げ，ジブを右に旋回したところ当該クレーンが転倒し，その横の斜面で待機していた被災者にジブが激突したものである．
災害発生当日は，植物園内の庭園に新築するガラス張り温室の一次下請けとして入った２社が温室の基礎，組立，設置の工事を行っていた．クローラクレーンのオペレーター，玉掛け者及び被災者の３名で，温室の２本の柱をクレーンにより建てたが，そのうちの１本が作業計画と異なるものを建てたことに気づいたため，その柱を引き抜く作業を同じクレーンで行うこととなった．
その作業を行う前に，本来建てるべき所定の柱が何処にあるかを探したところ，現場東側（山側）の部材置場にあることが判明したが，その柱の上にはＬ形鋼（等辺山形鋼）が多数積み重ねてあった．玉掛け者は２１本のＬ形鋼（約１５０kg）を玉掛けし，オペレーターが現場西側の部材置場に移動させようと巻き上げ，ジブを正面（南向き）まで旋回させたところで，周辺で作業している作業者に「危ないから気を付けるように」と促し，そのままさらに右旋回させたところ，突然クレーン本体が南西方向に倒れ，クレーン西側の傾斜面で待機していた被災者にジブが激突し死亡したものである．
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![[原因と対策]](images/bt01.gif){kind=small}
