|
あらまし |
本災害は,プラント解体作業において,解体したプラントの部材を移動式クレーンにより運搬用トラックに積み込もうとしているとき,玉掛けワイヤロープのロッキングフックが外れたため,つり荷が落下してきて玉掛け作業者である被災者がその下敷きとなったものである.
災害発生当日は,前日までに解体されたプラント部材の搬出作業を行うこととなり,玉掛け作業指揮者,移動式クレーン運転士及び被災者である玉掛け作業者の3人が従事することとなった.
搬出作業に当たっては,クローラクレーン(つり上げ荷重55t)に4本のロッキングフック付き玉掛けワイヤロープを使用して行うことになり,運搬用トラックが現場に到着するのを待って部材の積み込みに取りかかった.積み込み作業は比較的大きな部材から先に行い,4本のロッキングフック付き玉掛けワイヤロープを用いて4点づりでトラックに積み込んでいたが,部材が小さくなるにつれてロッキングフック付き玉掛けワイヤロープ1本の1点づりで行っていた.
最後にプラントの歩廊部分(質量約300kg)をトラックに積み込むこととなったが,玉掛け作業者である被災者は1本のロッキングフック付き玉掛けワイヤロープでシャックルを使用することなく,部材の腕の部分に設けられた穴にフックを直接掛けた.
クロ-ラクレーンの運転士は作業指揮者の合図により巻き上げ操作を始め,荷をつり上げていったが,地切り寸前のところまできたとき荷が振れ始めたため,退避していた被災者は咄嗟に荷に近づいて,荷の振れを止めようとしたところ,突然,,ロッキングフック付き玉掛けワイヤロープ が荷から外れ,被災者は落下してきた荷の下敷きとなった.
|
|