クレーンの災害事例
CR00111
事  例

つり上げていた鉄板パネルがクランプから外れてその下敷き

[原因と対策]
業  種 金属製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
 
あらまし 本災害は,床上操作式の天井クレーンを用いて鉄板パネルを反転させる作業中に,つっていたパネルがクランプから外れて落下し,運転操作をしていた被災者がその下敷きとなったものである.
災害が発生した事業場は,鉄板やH型鋼などを用いて作業用の架台や工場の床材等の加工・製造を行っており,災害発生当日は工場の床材に用いる鉄板パネル(鉄板の片側面にH型鋼を溶接により取り付けたもの)の塗装作業を行っていた.
被災者は,鉄板パネル(3.5m×4m,質量約2t)にH型鋼を取り付けてある面の最初の錆止め塗装が終わったため,ホイスト式天井クレーン(床上操作式,つり上げ荷重3t)を用いて鉄板パネルを反転させる作業に取りかかった.
反転作業は,鉄板パネルの一片に2個のクランプを取り付け,それぞれのクランプにシャックルを通して連結した玉掛け用ワイヤロープを掛けて巻き上げ,そのまま作業台の端まで移動させ,一旦着地させたのち,巻き下げ操作を行うことによって反転させることとなっていた.
被災者はこの手順にしたがって鉄板パネルを作業台の端まで移動させ,反転させるときに着地した鉄板パネルの端が滑らないよう作業台の端部に溶接で取り付けられた鋼材部分に合わせて着地させた.
ところがその瞬間,つり上げていた鉄板パネルがクランプから突然外れ,運転操作をしていた被災者の方に倒れかかり,被災者がその下敷きとなった.被災者は,クレーンの運転業務に関する特別教育は受けていたが,玉掛け作業の技能講習は修了していなかった.
 
 
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