クレーンの災害事例
CR01031
事  例

天井クレーンの走行トロリ線に接触し感電

[原因と対策]
業  種 土石製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 感電
 
あらまし 本災害は,工場建屋内に設置してある天井クレーンの性能検査前の清掃作業を行っていた被災者が,走行トロリ線に接触し,感電したものである.
災害が発生した事業場は,コンクリート製品の製造を行っており,護岸用のコンクリート矢板や下水道用のセグメントなどを製造しており,工場全体にはつり上げ荷重3t以上の天井クレーンが20基程度設置してある.
災害発生当日は,被災者と同僚の2名で工場内の5基の天井クレーン(つり上げ荷重3.05t)の清掃作業を行うよう指示されており,クレーン清掃作業の方法は,クレーンのガーダ上又はガーダに掛けたはしごの上からワイヤブラシやへらで埃をこすり落とした後,エアホースで吹き飛ばし,ガーダ下部の清掃は高所作業車を用いて行うというものであった.
両名は午前9時から作業前の打ち合わせを行い,被災者が工場の南側の3基,同僚が北側の2基を担当することとなった.南側と北側のクレーンの電源盤は別々になっていたため,被災者と同僚はそれぞれ電源を切ってから点検用の梯子を登り,担当クレーンの清掃作業に取りかかった.途中,2人は10時から30分程度食堂で休憩をとった後,工場に戻って点検用の梯子を登り清掃作業を再開した.同僚は自分が担当する2基のクレーンのガーダの清掃作業を終え,工場内に準備してあった高所作業車を運転してガーダ下部の清掃を行った.その時被災者はまだガーダのトラス内でワイヤブラシを用いて埃落としの作業を行っていた.11時30分過ぎに同僚は昼食を取るために食堂に行ったが,被災者がなかなか来ないので工場に戻って探したところ,クレーンサドル上の走行トロリ線の上にうつぶせの状態になって倒れているのが発見された.
このとき,同僚が被災者の担当していたクレーンの電源盤の状態を確認したところ,電源は入った状態であった.
 
 
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