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あらまし |
本災害は,清掃工場において,焼却炉の上部に設置されたテルハに取り付けられているホイストの巻き上げ用ワイヤロープを交換するため,被災者がホイストに立て掛けた移動梯子に上って作業を行っていたところ,突然,ホイストがレールに沿って移動したため,それに連れて梯子も移動して倒れ,約5.7m下の焼却炉内に墜落したものである.
災害発生当日は,午前10時頃から被災者と同僚の2人が工場内に設置されているテルハ(つり上げ荷重2t)の巻き上げ用ワイヤロープの取り外し作業にとりかかった.まず,被災者はテルハを固定するため横行ブレーキをかけた後,巻き上げワイヤロープを無線操作により繰り出し,同僚がそのワイヤロープを手で引き出してドラムのワイヤロープ取り付け固定端が目視できる状態にした.被災者は固定端の状態を見て,ワイヤロープの端末の固定をドラムに開けられた穴に手を入れて素手で外すことにした.
被災者が移動梯子(伸縮タイプ,最長時の長さ7m)の上端をホイスト(床面からの高さ2.7m)に掛け,下端を同僚が支えた状態で,被災者が約2mの高さまで上がったとき突然ホイストが移動した.このため,梯子は支えを失って前方に倒れ,被災者は倒れかけた梯子に片手を掛けようとしたが間に合わず,ホッパーから約5.7m下の焼却炉内に墜落した.
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