クレーンの災害事例
CR04102
事 例
カウンタウエイトの装着を忘れた運転士が空荷で移動式クレーンを操作中、クレーンが倒れてジブが作業者を直撃する
業 種
建設業
機 種
トラッククレーン
被 災
死亡 2名 休業 2名
現 象
機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原 因
運転者は過負荷防止装置に“準備作業モード, カウンタウエイト15t”と入力していて15t を基に過負荷防止装置が作動するよう設定したが,カウンタウエイトの積み込みを忘れたため,過負荷になっても過負荷防止装置が作動しなかったこと.
運転者は長い経験を有していたが,カウンタウエイトの積み込みを確認せず,また作業半径の確認作業の際に周囲に危険が及ばないと思い込むなど,安全に対する意識が希薄になっていたこと.
元請けや玉掛け者との作業開始前の打ち合わせが十分ではなく,運転者がカウンタウエイトの積み込み作業を開始直後に合図の方法や無線機の貸与等について相談を受けたため,一連の作業が中断されたこと.
対 策
過負荷防止装置の入力やカウンタウエイトの積み込みについて安全作業手順を作成しこれを遵守させること.また,規定通りに行われたかをチェックリストを作成して,クレーン操作を行う前に確認すること.更に,複数の者による確認体制を設けること.
慣れによる安全の未確認を防ぐために,定期的に運転者に対して安全教育を実施すること.
クレーンの作業計画を作成して,運転者と玉掛け者間の作業伝達方法や使用機器を具体的に定めると同時に,事前に打ち合わせを行って関係者全員に作業内容を周知すること.また,クレーン操作時には準備作業であっても,立入禁止区域を設けること.