クレーンの災害事例
CR05012
事  例

床上操作式天井クレーンで鋼板を荷下ろし中、鋼板がつり具から滑り落ちて運転者を直撃する

[原因と対策]
業  種 金属製品製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡1名 現  象 つり荷の落下
原  因
  1. 大きさの異なる鋼板を重ねて,しかもつり上げ荷重を超える荷を不安定なハッカー2個,2本つりを行ったこと.
  2. つり荷を運転者の頭上付近までつり上げ,運転者が片手でペンダントスイッチを操作しながら極めて不安定な状態で手動により荷の方向転換作業を行ったこと.
  3. 不安定なハッカー2個による鋼板の2本つりが常態化していて作業員の安全意識が低く,また, クレーンに係る安全作業標準が作成されておらず, 社内の安全教育がなされていなかったこと.
対  策
  1. 鋼板をハッカーでつる際には鋼板にそりやたわみが生じないようにして,4本4点ハッカーつりとし,荷が安定してつれるようにハッカーを掛けること.また,事前につり荷の質量を調査し,ハッカーには定格荷重以上の荷重が作用しないようにすること.
  2. つり荷の方向転換を行うときは介添えロープ等を使用し,荷の落下の危険のある領域には立ち入らないこと.また,つり荷は移動に支障のない限り低い位置で移動すると共に,万一に備えて作業者の避難場所を確保しておくこと.
  3. 安全衛生管理体制を整備し,朝礼や安全衛生パトロール,安全衛生教育等を行って,作業員の安全意識の高揚に努めること.また,クレーン安全作業標準を作成し,再発防止対策を周知徹底すること.
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