クレーンの災害事例
CR06051
事 例
橋形クレーンを用いトレーラー荷台のH 鋼を荷下し作業中,仮置きしたH鋼が崩れ落ち作業者に激突する
業 種
陸上貨物取扱業
機 種
橋形クレーン
被 災
死亡 1名
現 象
積荷等荷の落下
あらまし
本災害は,機材センターにおいて,被災者ら3名が橋形クレーン(つり上げ荷重20.3t)を用い,トレーラーに積まれた建設資材(0.3×0.3×6.0m,600kg のH 鋼2本をボルトで結合したもの)を荷下し作業中,既に床の上に階段状に積まれていたH 鋼の上に次のつり荷を下ろそうとしたが,間に挟む番木を忘れたため,一旦つり荷を階段状の3段目に仮置きし,被災者が番木を探しに行って戻ってきたところ,突然仮置きしていたH 鋼が崩れ落ち被災者に激突したものである.
災害発生当日,被災者A は午前8時に本社に集合し通常通り当日の作業内容についての説明を受け,その後,当日の作業場所であるK 社の機材センターに移動した.トレーラーは午前8時30分頃現場に到着したが,荷物の大きさ別,種類別に荷下し作業を進め,午前9時15分ごろから災害発生箇所でのH 鋼の荷下しに取り掛かった.トレーラーからの荷下しは,A が橋形クレーンの運転,同センターの所長B 及び同僚のC が玉掛けを担当して実施した.作業はまず,作業効率を上げるために荷台の上でH 鋼2本をボルトで結合し,2本単位で,既に階段状に積まれているH 鋼の上に,番木を敷いて荷下しする手順となっていた.ところが,最初のH 鋼を下ろしたところ,下に敷くべき番木の無いことにA が気付いたため,本来は階段状の4段目の位置に下ろす予定であったが,既に番木を敷いてある3段目の位置に仮置きして,玉外しを行った.仮置きしたことで,荷が不安定な状態となった.その後,被災者A とB は番木を探すために当該場所を離れ,C は荷台の上で次に下ろす予定のH 鋼の玉掛け作業を始めた.9時30分頃,A が番木を見つけて現場へ戻ってきて,階段状に積まれたH 鋼とトレーラーとの間を歩いていたところ,突然,仮置きしていたH 鋼が3段目から崩れ落ち,被災者A の大腿部に激突した.被災者は入院加療したが,約2週間後に死亡した.なお,崩れ落ちた仮置きのH 鋼以外,はい積みの状態は崩れてはいなかった.