クレーンの災害事例
CR06061
事 例
トラッククレーンの上部旋回体上でカウンタウエイトの固定ピンの抜取り作業中,ワイヤロープ巻取りドラムに巻き込まれる
業 種
その他の建設業
機 種
トラッククレーン
被 災
死亡 1名
現 象
その他の挟圧
あらまし
本災害は,製油所構内において,加熱炉の据付工事に使用したつり上げ荷重360t トラッククレーンを撤収する作業中,カウンタウエイトを取り外すため,被災者が上部旋回体上のワイヤロープ巻取りドラムの近くでカウンタウエイトの固定ピンを抜いていたところ,回転中の同巻取りドラムに巻き込まれて死亡したものである.
災害発生当日,被災者A 及び作業指揮者B(2人とも移動式クレーン運転士)は加熱炉の据付作業に従事していた.当該作業の終了後,A 及びB は引き続きトラッククレーンの撤収作業を開始した. 撤収作業はトラッククレーンの,ブームの収納とワイヤロープの巻取りを行い,続いてカウンタウエイトを取り外してトラッククレーンを走行可能な状態にするものである.撤収作業の作業手順は,合図者等を配置する等4名体制で全員が声を掛け合って実施することとされていたが,A 及びB の2名で行われていたものである.
まず,B が上部旋回体を旋回させて基本位置に戻すとともにブームの収納とワイヤロープの巻取りを同時に行った.A は,地上からB に対してクレーンの撤収作業を始めたことを確認する合図を送り,続いて運転席の横まで行き,カウンタウエイトの固定ピンを抜く旨をB に告げてから,クレーンの上部旋回体の上を後方に移動した.このときB はブームの収納とワイヤロープの巻取りを続行していた.
A はドラムケースに取り付けられているカウンタウエイトの固定ピンを外そうとしたところ身体のバランスを崩し,左手でワイヤロープをつかんでしまい頸部と左手がワイヤロープの巻取りドラムに巻き込まれたものである.