クレーンの災害事例
CR07021
事  例

発電機を荷下ろし中,積載形トラッククレーンが転倒して作業者がコンクリート骨材との間に挟まれる

[原因と対策]
業  種 コンクリート製造業 機  種 積載形トラッククレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし  本災害は,リサイクル一次プラントにおいて,被災者A と作業者B がつり上げ荷重2.93t の積載形トラッククレーン(以下「クレーン車」という.) を用いてコンベヤモーター用発電機の交換作業中に,発電機をクレーン車の荷台からつり上げて旋回させたところ,クレーン車がA 側に転倒し,A がクレーン車と近くのコンクリート骨材の山との間に挟ま
  災害発生当日,A とB は,発電機をクレーン車の荷台に載せ,リサイクル一次プラントに向かった.プラントに到着後,B は発電機上部中央にある玉掛け用治具に玉掛け用ワイヤロープの一方を掛け,他方をフックに掛け退避した.A はB が退避したことを確認してからクレーンの操作を開始した.まず,ジブ傾斜角を約27度に起こし,発電機をつり上げ,次にA 側に旋回させたところ,荷台中心より左へ36度ほど旋回した時点で,クレーン車がA 側に転倒を始めた.A は危険に気づいて逃げようとしたが間に合わず,倒れたクレーン車と,その脇にあったコンクリート骨材の山との間に挟まれた.
  災害発生時のクレーン車の使用状態は,アウトリガーは張り出されておらず,フロートも接地されていなかった.また,ジブ長さが5.25m,傾斜角が27度で,約36度旋回した状態であったことから作業半径は4.9m,定格荷重は350kg であったが,発電機の質量は1.41t と,あきらかに過荷重状態であった.
  なお,A は移動式クレーン運転士の免許を有し,玉掛け技能講習も修了しているが,B はいずれの資格も有していなかった.
 
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