クレーンの災害事例
CR07081
事  例

船体ブロック用の外板に玉掛けしたチェーンレバーホイストのチェーンが切れて,振れた荷が作業者に激突する

[原因と対策]
業  種 鋼船製造又は修理業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷、つり具が激突
 
あらまし  本災害は,船体ブロック製造工場において,被災者が同僚と共に天井クレーンを用いて船体ブロックに外板を取り付ける作業中,取付けの都合上外板(以下「つり荷」という.)を斜めにするため,一辺に2個のつりクランプを取り付け,反対側の一辺の中央にチェーンレバーホイスト(レバーブロック)による追加の玉掛けを行って3点つり状態で移動させていたところ,そのチェーンレバーホイストのチェーンが破断し,つり荷が振れて被災者の頭部に激突したものである.
  災害発生当日,被災者A 及び共同作業者B は,30トン天井クレーンを用いてタンカーの二重底右舷用の船体ブロックに,補剛部材を取り付けたつり荷を取り付ける作業を行っていた.まず,B が長方形に近いつり荷(長さ約12m,幅約2m,質量約6.8t)の長辺の片側に縦つり用クランプ2個を取り付けて玉掛けし,天井クレーンの補巻き(つり上げ荷重5t)でつり上げようとしたところ過荷重の警報が鳴ったため,主巻き(つり上げ荷重30t)に架け替えて移動させ,船体ブロックに組みつけようとした.しかし,うまく組み込めなかったため,一旦つり荷を架台に戻し,つりクランプ2個を取り付けた側とは反対側に横つり用つりクランプ1個を取り付け,それにワイヤロープ及びチェーンレバーホイスト(定格荷重1.5t)を.繋いで反対側の2個のつりクランプと同じ主巻きフックに掛けて3点つり状態とし,チェーンレバーホイストで長さを調節して,そちら側(後から取り付けたクランプ側)を下にしてつり荷が傾くように玉掛けした.その後,この状態でつり上げ,さらに時計回りに約90度つり荷を回転させたところ,チェーンレバーホイストのチェーンが破断し,斜めになっていたつり荷が最初に取り付けた2個の縦つり用つりクランプにぶら下がった状態になると共に大きく振れ,傍にいたA の頭部に激突した.
 
 
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