クレーンの災害事例
CR07091
事  例

橋形クレーンの走行レール基礎に座って待機中,移動してきた同クレーンのサドル部分に挟まれる

[原因と対策]
業  種 鋼船製造又は修理業 機  種 橋形クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体に接触して挟圧
 
あらまし  本災害は,船体修理用ドックにおいて,2基のジブクレーンおよび床上操作式橋形クレーン(つり上げ荷重20.3t:以下「橋形クレーン」という。)を用いて2つの船体ブロックを反転させる作業中,2つ目のブロックの反転作業を行うため,橋形クレーンを北に向かって走行させたところ,反転作業終了後に同ブロックに対して実施予定の溶接加工等の補助のために橋形クレーン走行レールの基礎に座って待機していた被災者が当該クレーンのサドル部に挟まれ死亡したものである。
  災害発生当日,同ドックでは午前中は,午後に実施予定の船体ブロックの反転作業のための準備として定盤付近の清掃や片付け,船体ブロックの据え付け治具のレベル調整などを実施し,午後は2つの船体ブロック反転作業を行う予定であった。
  午後の反転作業は移動建屋西側の走行レール上に設置されているジブクレーン(つり上げ荷重300t:以下「A クレーン」という。)とジブクレーン(つり上げ荷重100t:以下「B クレーン」という。)で船体ブロックをつり上げ,つり荷の設置面を反転させるために,B クレーン側を下ろし,A クレーンで設置場所まで移動させ,つり上げたままの状態でさらに橋形クレーンにより「つり荷を反転させる」手順で実施した。
  最初の反転作業が終了し,午後2時半頃から次の反転作業にとりかかったが,橋形クレーンによる反転のために同クレーンを北方向に移動させていたところ,同クレーン走行レールの基礎コンクリート部分に座っていた被災者がクレーンサドル部に挟まれた。
  なお,被災者がこの場所に居たのは,反転作業終了後にその船体ブロックに対して実施される溶接加工などの補助作業に,直ぐにとりかかれるように待機していたためである。
  なお,災害発生時に橋形クレーンを運転していた作業者は,被災者と同じ会社の派遣社員であり,本件の作業に必要な「クレーン・デリック運転士免許」は所持していなかった。
 
 
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