橋形クレーンの走行レール基礎に座って待機中，移動してきた同クレーンのサドル部分に挟まれる

1. 運転者が走行路の安全を確認せずにクレーンを走行させたこと。
   運転者本人が走行路の安全の確認作業を怠ると共に，視認できない箇所があるのに，監視者を置くなどの安全措置を講じなかった。
2. 無資格者がクレーンの運転を行ったこと。船体ブロックの作業グループでは資格を確認する体制が整っていなかった。
3. 被災者がクレーンの走行路に立ち入ったこと。クレーン走行の際のクレーンとの接触危険性について関係作業者に周知徹底していなかった。
4. クレーンに講じられた安全措置が十分ではなかったこと。
   　 本件クレーンには衝突防止用の光線式センサーおよび移動時の警報が設置されていたが，いずれも有効に機能しなかった。

1. クレーンを走行させる場合は，合図者の指示に従い，クレーン運転士からの見通しの悪い場所がある場合には監視人を配置して走行路に人が立ち入らないように監視させること。
2. クレーンの運転は有資格者に行わせること。それを確実にするため，所有資格表等を整備し，入構時や配置転換の際には資格確認を徹底すること。
3. クレーン走行時の危険性について関係者に周知させると共に，クレーン周辺で待機する場合は待機場所を定め，安全を確保すること。
4. クレーンと人との接触による危険を防止する措置として，走行レール周囲に立ち入り禁止区画の表示を行うこと。
   　 また，クレーン脚部へのスカート取付け，接触式センサーによる衝突防止，パトランプの増設などの対策を講じること。