クレーンの災害事例
CR07111
事 例
ログハウス建築資材を整理のためホイールクレーンでつり上げてジブ伏せ操作中に同クレーンが転倒
業 種
木造家屋建築工事業
機 種
ホイールクレーン
被 災
死亡 1名
現 象
機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
あらまし
本災害は,ログハウス建築工事のための資材仮置き場において,25t ラフテレーンクレーンを用いてログハウス用建築資材を整理する作業中,過負荷防止装置を解除した状態で同資材をつり上げ,次にジブをゆっくり伏せる操作を行っていた際に,急に巻上げレバーを引いたため,同クレーンが前のめりに転倒し,つり荷を待ち受けていた被災者(玉掛け
者)がその下敷きとなり死亡したものである。
災害発生当日,A の指揮のもと,B がクレーンの運転,被災者C が玉掛け及び合図を担当した。まず,B がログハウス用の資材のうちの一つ(5枚の木材を重ねて梱包したもの:長さ10.15m×横幅0.1m×高さ2.71m,質量約6t)の横にクレーン車を移動させ,鉄板を敷き,アウトリガーを最大張出しにして設置した。次いで,B は玉掛けを行っていたC の合図で主巻きフックを下げたが,つり荷の荷重が定格荷重ぎりぎりであると判断したため主巻き用の過負荷防止装置を解除した。まず,C の合図で荷をつり上げ,続いて,A の合図で,荷下し位置までジブを左旋回させたが,旋回停止操作でつり荷が水平回転していたため,A がつり荷の端に装着されていたバンドを引張ってその回転を止めた。その後,A の合図に従って,B がジブをゆっくり伏せる操作を行っていたところ,数秒ほどしてつり荷の右手が他の資材の上に乗っているように見えたため,あわてて巻上げレバーを一杯に引いたところ,その途端にクレーン車が前のめりに転倒してしまい,つり荷を受け取る準備をしていたC がつり荷の下敷きとなったものである。同クレーン車はつり荷が着地したところで前のめりのままの状態で静止した。