クレーンの災害事例
CR08051
事 例
LPGタンクの塗装に使用したゴンドラの解体作業中,作業員2名がタンクドーム頂上から地上に墜落する
業 種
塗装工事業
機 種
ゴンドラ
被 災
死亡 2名
現 象
その他の墜落
あらまし
本災害は,LPG タンクのドーム(屋根)部分の塗装工事において墜落防止用としてタンク壁面上部に設置していたゴンドラの解体・撤去作業中に,ドーム頂上のステージと呼ばれる足場で,下端を本体から取り外したゴンドラつり上げ用ワイヤロープのつり位置変更及び取外しの作業を行っていた2人の作業者が,ともに28m 下の地上に墜落して死亡したものである。
災害発生当日の作業は,LPG タンクの南西側に設置していた4台のゴンドラの解体,撤去作業である。始業前に,作業指揮者C の指示で作業者全員に対して当日の作業内容の説明及び危険予知活動が実施された。
その後,被災者A 及びB の2名はC の指示に従ってタンクドーム頂上のステージ(水平部分:直径約6m で周囲に墜落防止柵が設置されている。)に登り,ゴンドラ用つりワイヤロープのつり位置変更及び取外し等の作業に従事した。他の作業者(C を含む,以下「地上班」と呼ぶ。)は地上でタンクの南西側に下ろされていた4台のゴンドラの解体・撤去の作業に従事していた。
地上班はゴンドラ本体からそれぞれ2本,合計8本のつりワイヤロープを取り外すとともに,本体に取り付けていた墜落防止用ネット及びその金枠等を外し,本体を手押しで1台ずつタンク東側の位置に移動させる作業を行った。
つりワイヤロープの下端が1台のゴンドラ本体から外された時点で,被災者らはC の指示で,当該ゴンドラに取り付けられていた2本のワイヤロープを一旦ステージ部に引き上げてからタンク東側に垂らす作業を行った。
通常,ゴンドラを設置する場合には,ワイヤロープをタンク側面に垂らすために側面部分まで歩いて行くことからタンクの屋上部分に親綱やロリップ等を設置して作業者の安全を確保することとしていたが,本災害発生時には親綱等を設置していなかった。A 及びB は一旦ワイヤロープを引き上げた後で棚の外側をタンク東側に向かって歩いていたところ, A が足を滑らせてしまい助けようとしたB と一緒に転落してしまったものである。