クレーンの災害事例
CR10062
事  例

移動式クレーンで仮設防護柵用支柱を引きずって移動作業中,つり荷とのり面の間に労働者が挟まれる

[あらまし]
業  種 その他建設工事業 機  種 その他の移動式クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり具、つり荷と床の物体による挟圧
原  因

直接的原因

  1. 被災者が移動式クレーン仕様ドラグショベルの運転者に合図をした後も,挟まれる危険性のある場所から十分に退避していなかったこと。
  2. クレーン作業の方法が不適切であったこと。1本吊りのためつり荷が不安定な状態で,回転あるいは急に振れるような危険な動きをしたこと。

間接的(管理的)原因

  1. 被災者が,無資格で玉掛け作業に従事したこと。
  2. 運転手が,無資格で,つり上げ荷重1 t以上の移動式クレーンの運転業務に従事したこと。
  3. 移動式クレーンに関し,安全な作業方法についての十分な検討を行っておらず,無資格者を従事させ,しかも現場責任者もいない状態で作業させるなど,安全に対する意識が低かったこと。
対  策
  1. 移動式クレーン作業においては,挟まれる危険のある場所から労働者を退避させること。また,退避の状態を確認してからクレーン操作を行うこと。
  2. 本件支柱のように複雑な形のつり荷の場合には,1本吊り以外のより安定した玉掛け方法を採用すること。
  3. 玉掛け用ワイヤロープを掛け,又は外す業務は玉掛け業務に係る有資格者を従事させること。
  4. 移動式クレーンに係る作業には有資格者を従事させること。
  5. 事業場全体で,安全衛生に関する意識の向上をはかり,クレーン作業に関しては,安全な作業標準の作成・実行,リスクアセスメントなど具体的な安全対策を講じること。
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