クレーンの災害事例
CR11012
事 例
玉掛け用ワイヤロープのアイがフックから外れ,落下の反動で跳ね上がった鉄筋に激突され死亡
業 種
建築用金属製品製造業
機 種
橋形クレーン
被 災
死亡 1名
現 象
つり荷、つり具が激突
原 因
直接的原因
玉掛けの方法が不適切であったこと。
イ 玉掛け用ワイヤロープのアイを,外れ止めが確実に機能する状態でクレーンフックに掛
けていなかったこと。
ロ 鉄筋束に玉掛け用ワイヤロープを掛ける位置が極端に片方に偏っており,重心位置が
支持力中心に近くつり荷が不安定であったこと。
ハ ワイヤロープの長さが短かったため,つり角が非常に大きく(ほぼ許容限界の120度),
フックからアイが外れ易い状態にあったこと。
つり荷の落下の恐れのある位置から十分に離れず,しかも山積みされた鉄筋の上の不安定な位置でクレーンを操作したこと。
間接的原因
通常,複数人で行う積み込み作業を全て単独で行ったこと。
対 策
クレーンで荷をつり上げる場合,地切り後に一旦停止させ,つり荷の重心バランスの確認を行うこと。
クレーン作業を行う場合は,平坦で安全な作業場所を確保すること。
クレーン作業時には,労働者は,つり荷の振れや落下等による危険性のある位置で作業を行わないこと。
クレーン作業においては,十分な作業人員(できる限り,玉掛け者,クレーン操作者,合図者の3名)を配置し,安全な作業計画に従って実施すること。