クレーンの災害事例
CR11022
事  例

ホイールクレーンでL型擁壁の立て起こし作業中,玉掛け補助者が下敷きとなり死亡

[あらまし]
業  種 土木工事業 機  種 ホイールクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
原  因

直接的原因

  1. L型擁壁の仮置きの際の2本の盤木の方向及び位置が不適切であったこと(盤木を擁壁面と平行に,しかも底面の中央寄りに配置したため,擁壁が非常に不安定な状態であった)。
  2. 転倒防止措置を講じていない不安定な擁壁の危険側にはしごを掛けて上り,玉掛け外し及びその補助(はしごの支持)作業を行ったこと。
  3. L型擁壁を寝かせた状態から1基ずつ立て起こし据え付けるよう定めた作業を,責任者に相談せずに3基まとめて立て起こす不安全な方法に変更したこと。

間接的原因

  1. L型擁壁の据え付け作業の実施に当たり,前日に実地訓練を行っていたものの安全な作業方法を明記した作業計画を策定するとともにその周知徹底が十分になされていなかったこと。
対  策
  1. L型擁壁の下部に盤木を敷く際,擁壁面と直角方向とし,擁壁の安定性を確保すること。
  2. L型擁壁上で玉掛け作業を行う場合は,作業を行う前にL型擁壁の自立安定性を確認すること。
  3. L型擁壁の据え付け作業においては,転倒防止の措置がないまま不安定な状態で擁壁を仮置きしないこと。
  4. L型擁壁の玉掛け作業において昇降設備を使用するときは,擁壁が倒れてこない側に設置すること。
  5. 移動式クレーンの玉掛け作業及び専用つり金具の掛け替え作業について,安全な作業方法を検討した作業計画を作成し,関係労働者へ作業計画の周知・教育を実施すること。
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