クレーンの災害事例
CR11122
事 例
天井クレーンの解体工事において横行トロリ線に接触し感電死
業 種
その他の建築事業
機 種
天井クレーン
被 災
死亡 1名
現 象
感電
原 因
直接的原因
電力が供給されている横行用トロリ線に被災者が触れたこと。
間接的原因
解体クレーンが長期間使用不可能状態で休止されていたことから,被災者所属事業場のみならず,元方事業者及びクレーンの設置者である発注者において,感電にかかる危険性に対する認識が欠如していたこと。
解体クレーンが通電状態にないとの誤った認識から,実際には電力が供給されていたが,横行用トロリ線の絶縁措置等が確実に行われていなかったこと。
クレーンの解体撤去を行うにあたり,作業標準,作業計画が作成されていなかったこと。
高温・多湿の環境下において,多量の発汗により感電の危険性が高くなっていたにもかかわらず作業者に対するクレーン及び電気に関する教育・指示等が行われていなかったこと。
対 策
クレーン上で作業を行う場合には,感電災害を防止するため全ての電源をオフ状態にし,完全な電路閉鎖措置を講じた上で作業を行うと共に,作業開始前に電源及びトロリ線等の配線にかかる通電の有無を検電器具により確認すること。
クレーンの解体撤去を行うに当たり,関係する全ての機械設備に対する感電防止等に係る作業標準及び安全確保対策を含む作業計画を策定すること。
クレーンを休止した場合には,当該クレーンを使用不可能な状態にすると共に,給電状態を確認し,確実に全電源をシャットダウンすること。
クレーンの解体作業を行う場合は,予め作業員に対し作業計画,作業標準,取扱電路の系統及び作業に近接する電路等についての安全教育を行うこと。