クレーンの災害事例
CR12012
事 例
コンテナをつり上げた状態で起伏させたトラッククレーンのジブが突然倒れ,落下したコンテナの下敷きとなる
業 種
貨物取扱事業
機 種
トラッククレーン
被 災
死亡 1名
現 象
つり荷の落下
原 因
ジブ起伏巻上げ用プラネタリクラッチのクラッチバンドが疲労破断したため,ジブが倒れコンテナが落下したこと。
法令で規定された各種検査(月例検査,年次検査,性能検査等)は実施されているものの,ジブ起伏巻上げ用プラネタリクラッチの分解検査は行われていなかったこと。
メーカーのメンテナンスガイドに記載されている,クラッチバンドやライニングの交換時期(4000時間又は4年)に交換していないこと。4つり上げられたコンテナが落下した場合に被災するおそれのあるところに退避していたこと。
対 策
各種検査において,クラッチ(ブレーキ)全体の状況が見えない場合には,分解検査を行うこと。
メーカーの規定したクラッチ(ブレーキ)バンドやライニング等の交換時期を把握し,定期的に交換するとともに,その交換年月の記録を残しておくこと。
クレーンでつり上げられたコンテナが落下した場合に被災するおそれのないところに退避場所を設定し,船体から完全に搬出されるまで退避場所を離れないこと。
クレーン作業にかかる作業計画,作業標準等を作成し,関係労働者に対して周知徹底すること。