クレーンの災害事例
CR82051
事  例

移動式クレーンのジブが座屈折損

[原因と対策]
業  種 その他の建築事業 機  種 クローラクレーン
被  災 死亡 1名 現  象 機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
 
あらまし 当工事は,既設の旧い鉄塔を撤去し,新し鉄塔を建設するものであり,まず送電線を仮設塔に移設したうえ,塔上部から逐次解体していき,脚部を撤去したあと基礎塊を掘り返して露出させ,クローラクレーン(つり上げ荷重25t)で取り除いたあとを,埋め戻す作業である.
基礎塊をつり上げるため被災者は玉掛けをし.クレーン運転士につり上げの合図をしたが,つり上がらないので,一旦,つり上げを中止して協議した結果,基礎塊の上部をはつり落として荷重を軽くし(約10t)再びつり上け作業を開始することにした.当日は雨天で,その頃時刻は既に午後7時を過ぎていた.
クレーン運転士は基礎塊を静かにつり上げ,一旦現場内ピット(深さ約5m)の縁に着地させたが,その直後,荷の重みでピットの縁の土砂が崩れて基礎塊がピット内へ滑落し始めた.
クレーン運転士はとっさに左旋回レバーを操作し,荷の滑落を止めようとしてジブを左に急旋回させたところ,ジブに急激な衝撃荷重が生じ,その過荷重に対応しきれずにジブの中央部が「く」の字に折れ曲がり倒壊した.
倒壊の際のジブの振れが強く,安全地帯と思われた位置にいた被災者のところへジブが落下してきて,被災者を直撃し死亡したものである.
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