クレーンの災害事例
CR82121
事  例

つり荷が落下し下敷き

[原因と対策]
業  種 交通運輸事業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の落下
 
あらまし トラックの荷台から鋼材を倉庫内に卸す作業中の事故である.
鋼材は,長さ11m,断面が幅90mm,高さ75mmに15mmのリップのあるリップ付H型鋼で,45本を1束(重量約2t)として結束し,トラックの荷台上に3列2段,計6束が積載されていた.鋼材の上下2段の束は,さらに2束毎に結束されていた.
倉庫内の天井クレーン(つり上げ荷重10t)で荷卸しするため,天井クレーンの運転者,倉庫内での荷外し者,それに被災者であるトラック荷台上での荷掛け者の3名が作業に従事した.まず,荷台上からの荷卸しに際して,上下2束を結束している鋼材をばらし,1束ずつ卸す準備作業にかかった.
この作業は,上下2段の鋼材の束の間に玉掛ワイヤロープを通すため台木を入れるものであり,作業手順は
  1. 鋼材の2束を結束しているバンドを切る.
  2. 上の鋼材の束の端部に杉角材(幅45mm,厚さ40mm.長さ0.8m)を2~3本差し込む.
  3. 2の角材に玉掛ワイヤロープを掛け,天井クレーンで鋼材の片側を20~30cmつり上げる.
  4. 上下2段の鋼材の束の間に台木を挟む.
となっていた.
荷台の右側の鋼材の束の間に台木を入れ,次いで左側の鋼材の束の間に台木を入れるため,鋼材端部に差し込んだ杉角材に玉掛けワイヤロープ掛けてを約20cmつり上げたところ,杉角材が折れ,そのはずみで片づりをしていた鋼材の束が落下しはじめたため,荷台上で台木を入れる準備をしていた被災者は床上に飛び降りたが,その上から鋼材がばらばらになって落ち下敷きとなった.
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