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あらまし |
この災害は,当該事業場専属の自動車運転士が組立工場内の通路にトラックを停車させ,床上操作のホイスト式天井クレーン(つり上げ荷重2.021t)により空のパレテーナ(金網製容器,重量53kg)をトラックに積込む作業中に発生した.
災害発生時,組立工場内では自動倉庫システムー式の組立て作業中で,その場内にはシステムの一部となる入出庫リフター2基が仮置きされていた.入出庫リフターは,2基とも外枠が完成し,上部にモーターが取付けられており,下部にはアングル材2本を仮溶接して東西方向に足を出し重心の安定化が図られていた.なお,モーター上部までの高さは422cmであった.
自動車運転士はトラック停車位置付近に置かれたパレテーナ1個を玉掛けし,クレーンを運転してトラックへ積み込んだ後,もう1個のパレテーナが置かれている場内中央部付近のリフター2基の中間点までクレーンを運転して行き,パレテーナを玉掛けし,,再びクレーンを運転して工場内を北(トラックが停車している方向)ヘ移動しはじめた.
約1mほど移動させたところ,北側の入出庫リフターの上部,モーター部分にクレーンのカーテン式キャブタイヤケーブル(最下部で床上390cm)が引掛った状態となったが気づかず,そのまま運転したため,入出庫リフターが北側に転倒し,たまたまリフターを背にして立っていた被災者がその下敷きとなった.
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