クレーンの災害事例
CR83022
事  例

天井クレーンの給電ケーブルに機材が掛かり転倒

[あらまし]
業  種 機械器具製造業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 床上の物体の転倒によりる挟圧
原  因
  1. 入出庫リフターは高さが422cmで,クレーンの給電用キャブタイヤケーブルに引掛かるおそれのある高さであったにもかかわらず,リフターを組立工場内に仮置きし東西方向には転倒防止用のアングルを溶接し補強していたが,南北方向には転倒防止の措置を講じていなかったこと.
  2. クレーンが入出庫リフターの一つを越えた位置でパレテーナをつり上げ,北方向へ引き返すときリフターのモーター部にクレーンの給電用キャブタイヤケーブルが引掛かかったのは,南行きのときはホイストを西側の壁際に沿って走行したためケーブルのたるみが小さくなり,かつ,ケーブルの「やま」部をモーター部分が通過したが,北行きのときはパレテーナの位置が内側になっていたためケーブルのたるみが大きくなり,かつ,ケーブルの「たに」部にモーターが引掛かかったものであること.
  3. クレーン運転の業務を行っていた自動車運転士に対して,クレーンの運転の業務に係る特別の教育を行っていなかったこと.また.玉掛作業者が無資格であったこと.
  4. 組立工場の責任者が,自分の所属外である自動者運転士が,組立工場内で作業を行う際に,安全に関する指示をせず,また関心もなかったこと(作業指揮命令系統の統一がとれていなかった).
  5. クレーンを運転した者が,作業場所周辺の状況を確認しないで運転したこと.
対  策
  1. クレーンの移動範囲において,原則として,入出庫リフター等のクレーン運転の障害となる製品を組立てたり,仮置きさせないこと.やむを得ない場合には,障害となる物に赤旗等の危険表示を行うこと.
  2. 転倒するおそれのある製品等を仮置きするときは,転倒防止措置を行うこと.
  3. クレーンの運転は,法で定められた特別教育を行うとともに,各職場の責任者に資格者名を周知しておくこと.
  4. 職場の所属以外の者が同一職場で作業を行うときは,統一化された安全衛生管理が行われるよう配意することと.
  5. クレーンを運転する者は,運搬経路における障害となるものの確認を行い,障害物がある場合には適切な措置を講ずるとともに,十分に注意して安全作業を行うこと.
 
 
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