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あらまし |
被災者はバルブ弁体の鋳型作業を行うので,鋳造工場の型ピット内に設置された定盤を安定させるため,ピットから約30m離れた工場入口の台車上に仮置きしてある鋳鉄製組枠(長さ166cm,幅50cm,高さ20cm,重量1357kg)を,つり上げ荷重45tの天井クレーンの補巻(15t)で運ぶため,組枠の玉掛作業を行った.
玉掛けの方法は,両端アイ,直径14mm,長さ290cm(アイの部分を除く)の玉掛ワイヤロープ1本で,一方のアイを組枠の長手端部から内側に突き込んだバーの外側に掛け,他方のアイは組枠他端の内側に横に通したバーの中央部に通して,フックに掛けるものであり,組枠を台車上約20cmまでつり上げ,つり荷の安定を確めた後,高さ約2mに巻上げ,ピット内の定盤上まで水平移動を行った.
被災者はピットの外側から巻下げの合図をしたのち,ピット内に入って荷の着地位置を確認をしようとしていたとき,頭上のつり荷が大きく傾いてフックに掛けてあったワイヤロープが滑り,組枠の長手端部から突き出ているバーに掛けてあったワイヤロープのアイが外れたため,つり荷が約4mの高さから落下し,被災者はその下敷きとなった.
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