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あらまし |
被災者と同僚の2名は,屋外作業場で製品のアングル枠組(2.3m×1.6m×14.2m,重量約4.8t)をホイスト式橋型クレーン(つり上げ荷重5.085t,床上操作方式)によりトレーラーに積込むための玉掛作業にとりかかった.
まず,両端アイ付き玉掛け用ワイヤロープの公称径9mm,長さ4.08mのもの2本と公称径12mm,長さ4.6mのもの2本を,公称径9mmと12mmのものを1組としてアイのところでつなぎ,長さ約8.5mの玉掛けワイヤロープ2本として,4本掛(つり角度約120度と推定)で玉掛けし,被災者の合図で同僚が地上1.5mの高さまでつり上げて停止したとき,「盤木があるぞお」と被災者の声が聞こえた.
被災者は,盤木があると製品輸送用トレーラの進入にじゃまになると思い,その盤木を取り除くためつり荷の下に入った.ところがその約30秒後,“ドスン”という音とともにつり荷が落下し,被災者がその下敷きとなり腰部を直撃されて即死したものである.
なお,切断されたワイヤロープの切断面は,素線が切れたせん断状態のものと,引っ張って切れたいわゆる絞り切れ状態のものが認められたが,せん断状態のものが多いので,つり荷の鋭い角の部分が負荷重量に耐えきれず切断したものと推定される.
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