|
あらまし |
災害はボンベ製造工場の最初の工程であるプレスラインで発生した.このプレスラインは,被災者を責任者とし,以下数名で編成されていた.
プレスラインには材料の積み卸し等のために天井クレーン(つり上げ荷重11.15t)が設置されており,その運転は主に被災者が行っていた.
クレーンの電気部分の点検・修理等は電気係が行うことになっていたが,コントローラのフィンガ,セグメントの手入れ.取り替え等の極めて日常的な小修理は,クレーン運転士が通電を停止して行うことになっていた.
事故発生当日,被災者は既に時間外労働の時間帯になっていたが,損傷しているコントローラのフィンガの取り替え作業を行うことになり,まず運転室内配電盤のモータ回路用のノーヒューズブレーカをOFFにし,巻上コントローラのカバーを外して,下から3段目(全部で16段)のフィンガを取り外し,新しいものをはめ込んで固定用ネジを回しているとき,本人の顔が生きている上部5段の操作回路に接触したため,電流が顔→左手と流れ,感電死亡した.
なお,保護帽(ヘルメット)はコントローラの間が狭く,作業の妨げとなるために,また,手袋はフィンガの固定微調整のために,それぞれ脱いでその場に置いていた.
|
|