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あらまし |
溶接職の棒心Aは自分が製作しているストラット(鋼製部材,長さ3.33m,幅3.26m,厚さ12mm,重量700kg)の表側にフラットバーを溶接し,続いて裏側にも同様の溶接をするためストラットを反転することになった.
このため片脚橋型クレーン(床上操作方式,つり上げ荷重2.8t,揚程4m)を使用し,3tづり用のクランプハッカーをストラットの一端中央部にセットして反転作業を開始した.通常はクランプハッカーに玉掛けワイヤロープを取り付け,それをクレーンフックに掛けることになっていたが,当日は揚程の関係で玉掛ワイヤロープを使用せずクランプハッカーを直接クレーンフックに掛けた.
Aはストラットをつり上げ,一旦地切りをしたのち巻下げを行い,荷の下端の一端を接地させながら反転しようとしたが,近くで同僚のBとCが溶接作業をしていることに気づいたので,危険を知らせるためそれぞれに声をかけた.同僚Bはストラットの反転作業が行われていることを事前に知っていたので直ぐ退避したが,被災者Cはつり荷に背を向けたまま退避する様子もなく同じ姿勢で溶接作業を続けていた.
AはCのことに気を取られ,ペンダントスイッチの下げボタンが押されたままの状態になっていたため,クランプハッカーのアイがフックから外れてストラットが倒れ,Cはその下敷きになった,
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