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あらまし |
加工済みの鋼材(H形鋼,長さ8.8m,重量約600kg)を建設現場へ搬出するため,ホイスト式天井走行クレーン(つり上げ荷重2.5t,荷とともに移動する床上操作方式)を用い,トラックに荷積み作業中,被災者はH形鋼1本を玉掛用クランプl個で1点づりして,高さ1.8mまで巻上げたが,重心が前方にかたよって斜めづりとなったため,手で押えてバランスをとりながら走行させようとしたが,押さえていた手がはずれ,その瞬間,鋼材の前端が地上に激突し,その衝撃で支点のクランプが外れ,天びん状態で被災者の頭上にきていたつり荷の後部が落下してきて頭部を直撃したものである.
被災者の通常の作業は鋼材の穴あけ,ねじ切り等の機械加工の業務で,玉掛作業の資格はなく,また,クレーン運転の特別教育も受けていなかった.
通常は,玉掛けとクレーン運転の資格を有する工場長が操作することになっていたが,事故当時不在であったため被災者が従事したものである.
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