移動式クレーンのジブが過負荷で折損

1. 事故が起きたときのジブの傾斜角度５５度（作業半径２４．５ｍ）に対する定格荷重は０．４９ｔであり，過荷重となっていたこと．
2. 過荷重のため危険信号が発せられていたにもかかわらず，少しだけの移動ということで作業を継続したこと．
3. 作業の最後の荷ということで一度につろうと無理をしたこと．
4. 作業開始前に，移動式クレーンの性能条件による玉掛け，荷卸し場所などの十分な確認がなされていなかったこと．
5. つり上げた型枠材は．一度使用したもので水分を含んでおり，未使用のものに比べて重くなっていることを理解していなかったこと．

1. 移動式クレーンの運転は，定格荷重の範囲内で余裕をもった状態で行うこと．
2. 過負荷警報装置の最初の警報のランプなど信号が発せられたときは，ただちに運転を停止すること．その後，周囲の安全を確認のうえジブを安全側（伸縮装置を「縮める」ことや，起伏装置を「起こす」ことなど）へ操作すること．
3. 移動式クレーン作業にあたっては，その作業の開始前に，移動式クレーンの点検を行い，その設置場所やアウトリガの張り出し固定場所が堅固であるか，荷のつり上げ卸し場所はクレーンの性能からみた作業半径内に余裕をもった安全な位置であるか等を十分確認すること．
   玉掛けに際しては，荷の重量や玉掛け用具が安全であるかどうかを確認すること．
4. 移動式クレーン関係作業者に対し，クレーン作業の安全について常日頃から安全教育を行い，周知徹底すること．