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あらまし |
松くい虫被害のため伐採された被害木をフェンス越しに設置した移動式クレーン(車両積載形トラッククレーン,つり上げ荷重2.9t)で搬出中,フェンスの設置箇所の地上約10mを通る高圧配電線(6,600V)に当該クレーンのジブ先端が接触し,地上でクレーン操作をしていた作業者Aが感電し死亡したものである.
事故当日の作業は,伐採された被害木をクレーンでつり上げ,その荷台(4t積みトラック)ヘ積み込んで焼却場まで運搬するもので,3名の作業者が従事した.作業分担はクレーンの操作とトラックの運転は作業者A,伐採された木の玉掛けには作業者B,トラックの荷台上における積荷の玉外し等には作業者Cがそれぞれ従事していた.
焼却場までの運搬を終え,再び現場に戻って次に積込む作業を開始したところ,作業者Aが,突然「ウウッ」という呻き声を発して倒れた.このとき作業場所の上方に架線されている特別高圧線にジブの先端が接触し,「ブーブー」という音を発していた.
事故発生時のクレーンの使用状態は,ジブの起伏角度を最大(75度)にし.ジブ長さを最大まで伸ばしていたため,ジブ先端の地上高さが10m以上となったものである.
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