クレーンの災害事例
CR85102
事 例
フローチングクレーンのジブ起伏用ワイヤロープが切断
業 種
建設業(河川護岸工事)
機 種
浮きクレーン
被 災
人的被害なし(物損のみ)
現 象
機体、構造部分が折損、倒壊、転倒
原 因
直接の原因である起伏用ワイヤロープの切断は,ブライドル部のイコライザーシーブ(材質SS41,ブロックに6個のシーブが組み込まれたもの)の一つがそのフランジのところで軸方向に2分割した形で割れたため,起伏用ワイヤロープを噛み込んで,発生したものであること.
シーブのフランジ部のところから破損したのは,偏摩耗が生じており,製造時の肉厚より著しく摩耗していたものであること.(図参照)
フローチングクレーンの定期自主検査等に際し,シーブまで点検していなかったこと.
対 策
フローチングクレーンの定期自主検査(年次点検・月例点検)に際しては,点検の実施要領(昭和56年12月28日自主検査指針公示第1号に基づく「移動式クレーンの定期自主検査指針」)により,点検担当者を決めて行うこと.
定期的にシーブ等に給油を行うとともに給油時にも点検を実施すること.
ジブの起伏を多く行う作業にあっては,定期自主検査時以外の時期においても点検を実施すること.
以上の点検に際しては,シーブにあってはき裂,変形,摩耗等の有無を,ペンダントロープ及び起伏用ワイヤロープについては素線の切断,直径の減少,キンク,形崩れ,腐食,摩耗等の有無を点検すること.
点検の結果,シーブに上記の異常が認められる場合,ペンダントロープ又はジブ起伏用ワイヤロープに使用限度以上の損傷等が生じている場合には,当該部品を新品と交換する等の措置を講ずること.