クレーンの災害事例
CR85111
事  例

床上操作方式天井クレーン操作中つり荷と建屋支柱間に挟まれた

[原因と対策]
業  種 造船業 機  種 天井クレーン
被  災 死亡 1名 現  象 つり荷の転倒による挟圧
 
あらまし 造船工場で,船倉の仕切板となるブロックの組立て作業中に事故が発生した.
事故のあったブロックは図1に示すように断面形状が「コ」の字型のもので,大きさは長さ13.6m,幅2.9m,板厚15mm,重量12.5tであった.
このブロックは,工場内の大型定盤上にレールクランプで固定された2本の溝型鋼(高さ25cm,長さ12m)の上で溶接により組立てられたものであるが,引き続いて歪み取りなどの作業をするために上側と下側とを反転させる必要があった,この反転作業には作業者Aが天井クレーン(クラブトロリ式,つり上げ荷重主巻45.8t,補巻10.1t,揚程24m,床上操作・運転室操作両用式)を床上操作方式にして使用した.
反転作業は,まずブロックの「おもて板」側のつりピースにシャックルをかけ,2点づりして主巻によりつり上げて方向転換させ,次にブロック下(「とも板」)側のつりピースに主巻の時と同様の方法で補巻によりつり上げて反転させた.
反転後,つり上げたブロックを定盤上の定位置に卸す作業に取りかかったとき,定盤上の溝型鋼にブロックの「おもて板」が接触し,その反動でブロックが大きく荷ぶれしたため,建屋の支柱付近で床上操作により運転していた作業者Aが支柱基礎コンクリートと荷ぶれしたブロックとの間にはさまれて死亡したものである.(図2参照)
cr85111.gif
 
 
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